著者
松下 健 田中 誠也 白川 絢日 宮本 聖也 岡田 麻央 辻本 昌史 鈴木 啓介 中島 浩敦
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12256, (Released:2022-08-09)
参考文献数
41

【目的】診療記録を用いて肩関節周囲炎における臨床症状および日常生活動作(以下,ADL)や手段的日常生活動作(以下,IADL)の特徴の性差について検討した。【方法】肩関節周囲炎と診断され理学療法を実施した片側罹患例45名(男性17名,女性28名)を対象として,理学療法開始時点での患者背景情報および身体機能検査,画像検査,Shoulder36(以下,Sh36)について解析した。【結果】夜間痛の有無,患側Range of Motion(ROM)の外転,握力,臼蓋上腕角,上腕骨頭径について男女間で有意差を認めた。Sh36においては,36項目中17項目で女性が有意に低値であった。Sh36のドメインでは,健康感を除いた5項目で女性が有意に低値であった。【結論】肩関節周囲炎の日常生活への影響に性差がある可能性が示唆された。肩関節周囲炎に起因するADL・IADL制限に対しては性別を考慮した評価が必要と考える。