著者
白戸 満喜子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.42-50, 1997-10-10 (Released:2017-08-01)

二代目松林伯円が口演した講談『安政三組盃』に登場する津の国屋お染は、漂流という偶然によってではあるが、日本開国以前の安政六年に女性で初めてハワイの地を踏んだとされ、このことは事実として語られている。しかし、お染が描かれたとされる浮世絵の版行年と伯円講述の『安政三組盃』の粗筋を照合すると、お染漂流の事実には矛盾が生じる。お染という女性は明治の寄席芸が創り上げた架空の存在であると推定されるのである。
著者
白戸 満喜子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.66-76, 2007-10-10 (Released:2017-08-01)

書物の装訂が和装本から洋装本に変化するには紙と印刷の近代化が深く関わっているが、その初期にはさまざまな試行がなされている。和紙がいかにして洋紙へと切り替わっていくのか、その過程を『当世書生気質』諸本の装訂と料紙を観察することで双方の近代化を探る。ルーペを使用して書物料紙の原料である繊維を推定する「料紙観察」の方法と、「料紙観察」が奥付や刊記以外の情報として「明治」を知る手掛りとなりうることを報告する。
著者
白戸 満喜子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.42-50, 1997

二代目松林伯円が口演した講談『安政三組盃』に登場する津の国屋お染は、漂流という偶然によってではあるが、日本開国以前の安政六年に女性で初めてハワイの地を踏んだとされ、このことは事実として語られている。しかし、お染が描かれたとされる浮世絵の版行年と伯円講述の『安政三組盃』の粗筋を照合すると、お染漂流の事実には矛盾が生じる。お染という女性は明治の寄席芸が創り上げた架空の存在であると推定されるのである。
著者
白戸 満喜子
出版者
実践女子大学大学院
巻号頁・発行日
2017-03-19

2016年度