- 著者
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白戸 満喜子
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.10, pp.66-76, 2007-10-10 (Released:2017-08-01)
書物の装訂が和装本から洋装本に変化するには紙と印刷の近代化が深く関わっているが、その初期にはさまざまな試行がなされている。和紙がいかにして洋紙へと切り替わっていくのか、その過程を『当世書生気質』諸本の装訂と料紙を観察することで双方の近代化を探る。ルーペを使用して書物料紙の原料である繊維を推定する「料紙観察」の方法と、「料紙観察」が奥付や刊記以外の情報として「明治」を知る手掛りとなりうることを報告する。