著者
白田 志保 石川 清宏
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.38-45, 2013-01-15 (Released:2017-10-11)
参考文献数
2

食品の味覚とにおいが密接な関係にあることは知られている.しかし,その味覚・においを特徴付けている化学物質を明確にするためには,感覚的な分析手法と化学的な分析手法を組み合わせる必要がある.感覚的な指標をもとにした分析手法としては,におい識別センサーや味覚センサーなどが使用されているが,それらでは味覚・においを特徴付けている化学物質を特定することはできない.一方で,アミノ酸分析機や質量分析計を用いる化学分析手法では,化学物質の特定はできるものの,感覚的な指標との関連を議論することは難しい.今回,アミノ酸分析装置とガスクロマトグラフ質量分析計(以下GC-MS) に官能分析の一手法であるスニッフィング機能を組み合わせた,スニッフィング-GC/MSを用いて,数種類の市販チーズをそれぞれ分析することにより,感覚的な指標とその背後にある化学物質の同定を試みた結果,いくつかの知見が得られたので以下に報告する.