著者
菅 菜穂美 牧 琢弥 白石 清
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 71.2 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.1, 2016 (Released:2017-12-05)

バイグラビティ理論はゴーストを生まない質量項の発見により,近年復活を遂げた。修正重力理論の一つとして,宇宙論における問題(ダークマター,加速膨張,初期特異点)を解決することが期待され,さまざまな研究がなされているが,明快で特徴的なメカニズムは得られていない。われわれは,Novelloらによって提唱されたGeometric Scalar Gravity(GSG)における有効計量を一つの計量として用いたバイメトリック理論を提唱する。GSGにおいてもシュワルツシルト計量は厳密解であるので,この理論の真空球対称解はそれからの補正で表されることが保証される。また,GSGにおける宇宙論的解は一般相対論とは異なる振る舞いを示すが,そのことにより宇宙論の諸問題を解決する可能性が期待される。