著者
白石 高章
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.1-17, 2011 (Released:2012-03-21)
参考文献数
15
被引用文献数
3 4

多群2項モデルにおいて,母比率の間の相違に関しての多重比較検定について論じる.比率の間のすべての差の同時区間推定法が,Hochberg and Tamhane (1987) で述べられている.この手法と同様なシングルステップのTukey-Kramer型検定方式を構築することができる.しかしながら,この検定方式は保守度が未知パラメータに依存し制御することができない.この論文では,逆正弦変換による多重比較検定法を提案し,保守度をサイズの比の関数として制御できることを示す.また対照群との多重比較法に関しては,白石(2009)と田中・垂水(1997)はBonferroniの不等式による手法が述べられている.逆正弦変換により,Bonferroniの不等式による手法よりも検出力の高いDunnnett型多重比較検定法を論じることができる.さらにテューキー・ウェルシュの方法とREGW法を改良する閉検定手順も論じる.
著者
白石 高章
出版者
応用統計学会
雑誌
応用統計学 (ISSN:02850370)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1-3, pp.1-22, 2014 (Released:2015-05-16)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

多群比率モデルにおいて,片側の順序制約がある場合での母比率の間の相違に関しての多重比較検定について論じる.分散が同一で平均に片側の順序制約がある場合に,多群正規モデルでの平均相違に関するシングルステップの多重比較法がHayter (1990)とLee and Spurrier (1995)によって提案されている.彼らの手法と類似の比率の相違に関するシングルステップの多重比較法を,逆正弦変換により提案することができる.さらに,このシングルステップの多重比較法を超える閉検定手順を論述する.順序制約のない場合の比率モデルの多重比較検定法は,白石 (2011a)によって論述されているが,本論文で提案する多重比較法は,順序制約がある場合には,白石(2011a)の手法よりも一様に良い.