著者
白藤 法道 濱野 忠則
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究で、高Hcy血症がタウの重合を促進し、アルツハイマー病の原因となる神経原線維変化形成に傾くことを明らかにした。GSK3β、cdk5活性化またはPP2A不活性化を介してタウのリン酸化レベルを増加させ、カスパーゼ3の活性化によりC末端が切断されるタウを増加させた。Hcyが20Sプロテアソーム活性を低下させ、タウの分解を阻害し、総タウ量が増加させた。リン酸化・C末端切断型タウの増加は、タウの立体構造変化をきたし、神経細胞死、および神経原線維変化を促進した。このことから、ホモシステインを低下させることが、アルツハイマー病におけるタウオパチーの異常な神経細胞障害作用を緩和させることが示唆された。