著者
皆川 芳輝
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 社会科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; SOCIAL SCIENCES (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1-10, 2018-01-31

プロスポーツリーグ・チームの持続的成長には,他の諸プロスポーツリーグ間の観客争奪戦における競争優位構築が決定的に重要になる。そのためには,当該プロスポーツリーグの全試合においてクロスゲームが展開されなければならない。プロスポーツリーグが観客数を増加させるうえで最も重要な要因は,優秀な選手が数少ない特定チームに偏在するのではなく,全チームにおいて優秀な選手がプレーしていることである。しかしながら,優秀な選手のスカウト・雇用には多額の資金を捻出しなければならない。この問題を解決するための方法の1つとしては,収益分与(revenue sharing)があげられる。これは,まず最初にプロスポーツリーグ・チームが自分の収益から一定額をリーグ全体に拠出し,続いてそのプールした資金を各チームに分配する。本論文は,北米プロスポーツリーグにおける収益分与に焦点をあてて,その有用性を考察する。