著者
中村 恵子 斎藤 まさ子 内藤 守 小林 理恵 田辺 生子 盛山 直美
出版者
新潟青陵学会
雑誌
新潟青陵学会誌 (ISSN:1883759X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.1-12, 2019-09

本研究の目的は、ひきこもり支援者の体験と求める支援について明らかにし、ひきこもり支援のあり方について考察することである。ひきこもり支援者3名を対象として、半構造化面接を行い、質的統合法(KJ法)を用いて分析した。 全体分析の結果、ひきこもり支援者の体験と求める支援について、【本人の生きづらさと傷つき感:社会性の乏しさと自分は駄目だという思い】、【本人や親への傾聴によるエンパワーメント:本人に見合った時間の中でのエネルギーの充足】、【本人と親との関係の調整:相互理解と親の変容からはじまる本人の変容と相乗効果】、【社会参加へのプロセス:意欲や自信をはぐくむ本人の困り感や必要性を伴った社会体験の積み重ね】、【本人や親を孤立させない支援:相談しやすい環境と専門家や支援機関による連携】、【支援者を孤立させない支援:支援者どうしの共助とサポート環境の整備】の6つのシンボルマークからなる空間配置が示された。ひきこもり支援において、社会参加に向けた支援や、本人や親、支援者を孤立させない支援が求められる。