著者
上田 正人 目崎 拓真
出版者
関西大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

サンゴ礁は破滅的な状況にあり,多岐にわたる専門家がその保全に取り組んでいるが,有効な打開策は確立されていない。従来の延長線上にない革新的な切り口が必要である。研究が飛躍的に進んでいる領域の知見を転用・活用することが有効である。医療分野では組織から単離した細胞の利用がパラダイムシフトをもたらせた。サンゴでは水温上昇など環境が悪化すると,そのストレスにより軟組織のポリプがベイルアウト(剥離・脱離) する。ネガティブな現象であるため,それをサンゴ礁再生に利用する発想はなかった。本研究では,そのベイルアウトを人工的に誘発し,サンゴ片から採取したポリプを起点にサンゴを増殖する手法を確立する。