著者
灘村 妙子 白井 沙緒里 村木 敏明 相原 育依 池田 恭敏 黒澤 也生子
出版者
茨城県立医療大学
雑誌
茨城県立医療大学付属病院職員研究発表報告集 : ひろき (ISSN:13448218)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.39-47, 2008
被引用文献数
1

回復期リハ病棟では25〜40%の患者が抑うつ状態にあるとの報告がある。抑うつ状態の予防・改善については、個別での身体機能への介入やADL介入のみにとどまるのではなく、早期から患者同士のコミュニケーションの場を設け、援助することの重要性が指摘されている。そこで、当院OT科では通常の個別介入に加え、他職種へのOT,自分の健康意識向上の啓発を含めて病棟デイルームにて小集団OTを実施している。研究1では、回復期リハ病棟における小集団OT介入による入院中の脳血管疾患患者の心理社会機能の検討を目的とし、連続8回以上参加した18名に対して集団活動評価、うつ・情動障害スケールにて効果を検討した。その結果、いずれの項目においても有意な向上、改善が認められ、小集団OTが入院生活、退院後の生活の閉じこもり傾向を予防しうる可能性が示唆された。研究2では2事例を通して小集団OT参加による病棟内での生活状況と個別介入の変化を検討した。その結果、集団の特性を生かした個別介入により、成功体験による、自己有能感の向上や主体的なリハビリを促すことが可能であることが示唆された。