著者
相島 葉月
出版者
国立民族学博物館
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は、空手道の稽古に取り組むエジプトの都市中流層の事例を手がかりに、中東におけるモダニティの系譜を探求することであった。近年、新自由主義経済の広がりにより、学歴や所得で中流層と下流層を差異化することがより困難になる中、「教養」の有無を指標とする新たな「階層観」が構築されつつある。この文脈において本研究は、エジプトのスポーツ実践に象徴された「身体化された教養」をめぐるポリティクスを、西洋的近代性に代わる、独自のモダニティを創出する試みとして考察した。