著者
相川 恒 小林 研介 中西 毅
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.59, no.10, pp.682-689, 2004-10-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
35
被引用文献数
1

電子を微小な領域に閉じ込めた量子ドットは人工的に制御可能な量子系であり,少数多体問題,量子カオス,量子デコヒーレンスなどの舞台として注目されてきた.最近,エネルギースペクトルばかりでなく干渉実験によって位相情報を抽出しようという試みが始まり,また新たな問題提起もなされている.本稿では干渉実験で何が問題となったかについて,そしてそれを解決することによって明らかになった量子ドットの電子状態の性質について解説する.