- 著者
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相本 隆幸
吉田 初雄
湖山 信篤
二瓶 光博
左近司 光明
恩田 昌彦
- 出版者
- 一般社団法人日本消化器外科学会
- 雑誌
- 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
- 巻号頁・発行日
- vol.30, no.10, pp.2004-2008, 1997-10-01
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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18
症例は55歳の男性. 食欲不振を主訴に来院. 入院時検査で白血球増多(21,200/mm^3)を示した. 胃透視および胃内視鏡検査で幽門前庭部に2型進行胃癌を認め, 1995年10月30日幽門側胃切除術(D_2)を施行した. 手術的進行程度はT_2, N_2, P_0, H_0, Stage IIIaで, 腫瘍径は110×90mm, 肉眼分類は5T_2であった. また, 病理組織学的にはpap, ss, ly_3, v_3, n_2であった. 術後の白血球数は第3病日の19,200/mm^3から第28病日の7,200/mm^3まで低下し, 血中G-CSF値も第3病日の195pg/mlより第28病日の60pg/mlまで下降した. 術後経過は良好で, 1996年1月20日軽快退院した. 一方, 抗G-CSF抗体を用いた免疫組織染色では腫瘍の細胞質が陽性を示した. 以上よりG-CSF産生胃癌と診断した. 本邦でのG-CSF産生胃癌の報告は自験例を含め7例にすぎない. 今回, 極めてまれなG-CSF産生胃癌の1例を経験したので本邦報告例の検討を含め報告する.