著者
茅野 千春 丸山 隆久 小林 武司 相澤 孝夫 武井 学
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.33, no.9, pp.719-724, 2001-09-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
7
被引用文献数
3

向精神薬の長期服用中に,著明な低酸素血症と肺高血圧症を呈した慢性血栓塞栓性肺高血圧症を経験した.症例Iは58歳,女性.分裂病で抗精神薬の長期服用歴あり.平成8年より労作性の息切れ,呼吸困難が出現.動脈血酸素分圧47.4mmHg,肺動脈圧75/28(45)mmHg.肺血流シンチで両側肺野に多発性に集積低下,欠損像を認め,右下肢深部静脈血栓症も認めたことより,慢性血栓塞栓性肺高血圧症と診断した.下大静脈フィルターの留置,抗凝固療法,在宅酸素療法,t-PAの静脈内投与を行った.平成10年3月右心不全で死亡.診断後約1年6カ月の経過だった.剖検で肺動脈内に血栓閉塞と再疎通所見,血栓の器質化による血管腔の狭小化,著明な右室肥大(500g)を認めた.症例IIは63歳,女性.トリアゾラムの長期服用歴あり.平成10年に顔面の浮腫で発症.動脈血酸素分圧38.1mmHg,肺動脈圧97/40(62)mmHg.肺血流シンチで両側肺野に集積低下,欠損像を認め,肺動脈造影で主幹部の拡張と末梢での途絶,消失像を認めた.下肢静脈瘤あり.平成12年1月呼吸不全で死亡.発症約2年の経過だった.ともに小太りの初老の女性で,下肢の静脈異常を有し,向精神薬の長期の服用歴があった.発症に向精神薬の関連が示唆された.
著者
楊箸 俊恵 楊箸 隆哉 寺澤 茜 小牧 静江 堀川 豊 洞 久美子 竹内 健太郎 翠川 洋子 相澤 孝夫
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.25-29, 2001

疾病予防・健康増進を目的とした通信システムを構築し,希望で入会し1年間フォローした93名の検査値・運動量の変化を調べた。総コレステロール値,中性脂肪値,糖負荷試験に異常のあった者は各検査値の改善と運動量の増加が認められた。また各検査値が正常だった者は元来運動量が多いが,入会後もそれを維持できていた。医療従事者と年間何回か通信するこの継続個別指導システムは,健康改善に有効であることが確認された。