著者
相澤 秀生 川又 俊則
出版者
鈴鹿大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

日本社会は寺檀関係を支えてきた世代の人びとが多く死去する時代を迎えた。次世代を担うであろう団塊の世代以下の人びとの多くは故郷を離れ、菩提寺とは疎遠な関係にあり、代々の寺檀関係が継承される見通しが立てられない時代となった。これまで寺院は葬儀や法事など、人びとの人生の一部だった。寺院がなくなれば、誰が死者を弔い、墓や遺骨を守っていくのか。日本人はそうした切実な問題に直面している。本研究はこの喫緊の課題にこたえるべく、多宗派の寺院の実態を数量的調査、質的調査によって明らかにし、寺院の存続と人びとの暮らしがいかに相互影響しているのかに迫るものである。