- 著者
 
          - 
             
             菊川 照英
             
             相田 吉昭
             
             亀尾 浩司
             
             小竹 信宏
             
          
 
          
          
          - 出版者
 
          - 一般社団法人 日本地質学会
 
          
          
          - 雑誌
 
          - 地質学雑誌 (ISSN:00167630)
 
          
          
          - 巻号頁・発行日
 
          - vol.124, no.5, pp.313-329, 2018-05-15 (Released:2018-06-30)
 
          
          
          - 参考文献数
 
          - 47
 
          
          
          - 被引用文献数
 
          - 
             
             
             3
             
             
          
        
 
        
        
        鹿児島県種子島に分布する熊毛層群西之表層の地質,地質年代,そして堆積環境を検討した.砂岩が卓越する西之表層において,生痕化石が多産する泥岩部を大久保泥岩部層として区別した.放散虫化石からは西之表層上部が31.1Maから28.5Maの地層であることが,石灰質ナンノ化石からは西之表層下部が30.00Maから26.84Maに堆積したことが判明した.以上の事実から,西之表層の地質年代が,前期漸新世の後期(30.0-28.5Ma)であることが判明した.岩相分布と地質年代の結果から,(1)西之表層は同層準が褶曲と衝上断層によって繰り返すこと,(2)西之表層の層厚は従来の推定よりも薄いこと,(3)西之表層は九州南部に分布する日南層群に対比されること,そして(4)産出する生痕化石から西之表層は水深が2000mよりも深い海底で堆積したこと,が明らかとなった.今後,西之表層の起源を詳しく解明するためには,堆積学的・構造地質学的観点からの検討が不可欠である.