著者
相田 慎 新堂 安孝 内山 将夫
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.405-422, 2013-06-14 (Released:2013-09-14)
参考文献数
46
被引用文献数
4

東日本大震災初期,Twitter に寄せられた膨大なツィートには,緊急性の高い救助要請候補が多数含まれていたものの,他の震災関連ツィートや「善意のリツィート」によって,通報されるべき情報が埋もれてしまった.この様な状況を解消するために,筆者らは 2011 年 3 月 16 日,Twitter 上の救助要請情報をテキストフィルタリングで抽出し,類似文を一つにまとめ一覧表示する Webサイトを開発・公開した.本論文では,本サイト技術のみならず,通報支援活動プロジェクト #99japan との具体的な連携・活用事例についても詳述する.なお #99japan は,救助状況の進捗・完了報告を重視する Twitter を用いた活動であると共に,発災 2 時間後に 2 ちゃんねる臨時地震板ボランティアらによって立ち上げられたスレッドに由来する.
著者
相田 慎 箕輪 はるか
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

原発事故時による放射能リスクへの国民の不安は和らいでいるものの、企業・行政・報道への不信感は根強く、不安が解消されたとは言い難い。人々は、折に触れてこの問題について語らっていたであろうが、これは「人によって見解が異なる切実な問題」であり、「語ることへの躊躇い」があったと予想される。本研究課題では、日常会話に表出する(放射能リスク等の)科学の話題を「日常の科学コミュニケーション」と捉え、その場面獲得手法を提案し、話題が科学へ遷移する前後を詳細に分析する。 そして、「日常の科学コミュニケーション」の過去から今後とを観察し、放射能リスクという「時と共に変わりゆく問題」が変化する局面を俯瞰する。