著者
龍岡 文夫 平川 大貴 相澤 宏幸 錦織 大樹 相馬 亮一 園田 陽介
出版者
Japan Chapter of International Geosynthetics Society
雑誌
ジオシンセティックス論文集 (ISSN:13446193)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.69-76, 2007
被引用文献数
1 4

「RC 竪壁と橋桁を一体化した一体橋梁」と「剛な一体壁面工を段階施工するジオテキスタイル補強土(GRS)の擁壁」を組み合わせた「GRS 一体橋梁」を提案する。室内模型実験を実施して、一体橋梁は経済的・構造的な弱点となる支承部がないが、大気温変動に伴う橋桁の熱伸縮及び地震荷重により壁面工の強制繰返し水平変位が生じ、そのため盛土に過大な沈下と土圧増加が生じることを示した。壁面工下端が自由で壁面工の変位モードが転倒+下端滑動の場合は、壁面工下端がヒンジ支持で壁面工の変位モードが転倒の場合と比べて、土圧の増加量は低減するが壁面工下端が主働方向に押し出されて盛土に主働崩壊が容易に生じて盛土は大きく沈下した。これらの問題は、ジオテキスタイル補強材が剛で一体の壁面工に結合してあるGRS一体橋梁では解決する。
著者
相澤 宏幸 錦織 大樹 平川 大貴 相馬 亮一 園田 陽介 龍岡 文夫
出版者
Japan Chapter of International Geosynthetics Society
雑誌
ジオシンセティックス論文集 (ISSN:13446193)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.77-82, 2007
被引用文献数
1

RC橋台と橋桁を一体化したインテグラル橋梁(一体橋梁)は、経済的・構造的な弱点となる支承部及び伸縮装置がない。一方、大気温変動に伴う橋桁の熱伸縮により壁面工に強制繰返し水平変位が生じて、背面盛土に過大な沈下と土圧増加が生じる。このため、壁面工に構造的損傷が生じる虞が生じ、壁面工下端が前方に押し出される可能性が、あるいは壁面工が杭支持されていれば杭頭部が損傷する虞が出てくる。この問題を解決するために、「壁面工に定着したジオシンセティックス面状補強材で補強した盛土と一体橋梁を組み合わせたGRS一体橋梁(Geosynthetic-Reinforced Soil Integral Bridge; GRS Integral Bridge)」を提案している。室内模型実験を行い、壁面工上端に強制繰返し水平変位を与えた。(1)壁面工下端の水平及び鉛直方向の自由度を高めて壁面工の転倒+下端滑動モードが生じる場合と、(2)強固な杭基礎がある場合を想定して壁面工下端をヒンジ固定して転倒モードが生じる場合を検討した。背面盛土が無補強、あるいは補強しても補強材が壁面工に非定着の場合では、(1)の載荷モードでは、壁面工下端が主働方向に押し出されて盛土に過大な沈下が生じた。(2)の載荷モードでは、盛土の沈下は若干抑制されたが、残留土圧が非常に大きくなり、壁面工及び杭頭部が損傷する可能性が生じた。一方、補強材を壁面工に定着させた場合では、(1)と(2)のモードの何れでも、盛土の残留沈下は殆ど生ぜず、土圧は上昇しても構造系は非常に高い安定性を示した。