著者
中村 彰宏 加藤 一誠 眞中 今日子
出版者
日本交通学会
雑誌
交通学研究 (ISSN:03873137)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.167-174, 2017 (Released:2019-05-27)
参考文献数
4

本研究では、交通事故につながる違反運転を繰り返す運転者には、構造的に違反運転をしてしまう理由があるのではないかという仮説を立て、2014年に実施したアンケート個票データをもとに繰り返し違反運転者の違反運転理由について分析した。分析の結果、繰り返し違反運転者の半数が、「自分自身(運転者)以外にも、仕事など、違反の理由がある」と考えている点が明らかとなった。この分析結果から、彼らの違反を削減するためには、運転者個人への指導以外の方法も合わせて講じることも必要である点、「運転者個人を対象とした指導施策」の効果を評価する際には、仕事など、運転者個人の意識改善以外の要因を考慮して、その効果を測定する必要がある点などの政策含意が導かれる。