- 著者
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眞境名 達哉
- 出版者
- 室蘭工業大学
- 雑誌
- 若手研究(B)
- 巻号頁・発行日
- 2005
平成18年度も主に住宅地における除雪行為とコミュニティ形成との関連に着目し研究を行っている。具体的には札幌市と室蘭市において、除雪車による除雪の実態を道路の等級などの視点において把握を行った。また室蘭市母恋地区においては、狭隘街路における除雪の実態、特に私有地が連担し利用が図られている路地での除雪の実態について観察を行った。そこでは、必ずしもコミュニティ形成の要因は把握できないまでも、除雪行為がなんらか社会心理学的に近所間の心理的な紐帯に寄与している可能性が得られた。また集合住宅など住居集合の型による除雪の違いについても、室蘭市を対象に観察調査を行った(集合住宅4つ、住宅地2カ所)。ここでは集合住宅と戸建て住宅地での除雪方法の違いを調査している。集合住宅地における、ルールと規範については公共系の集合住宅と民間系集合住宅では若干異なることも類推された。これらと平行して、居住地の基本構成要素である寒冷地住宅の文献調査も行った。ここでは東北以北の住宅に焦点を絞り、伝統的な寒冷地住宅のあり方をイヌイットなどの北方狩猟系住宅なども視野に入れ横断的にまとめた。また北海道における高断熱高気密住宅の最新技術あるいは関連法規などまとめを行った。以上の考察結果は現時点ではまとまっていない。今後は室蘭市における集合住宅を対象に補足的な調査を行い、寒冷地における高密居住のあり方について提言的なまとめを行っていく。