著者
眞渕 綾希 秋田 美代
出版者
一般社団法人 数学教育学会
雑誌
数学教育学会誌 (ISSN:13497332)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3-4, pp.117-126, 2013 (Released:2020-04-21)

本研究の目的は,数学の授業の中で生徒の創造的な問題解決力を育成することである。そこでは,生徒に問題解決の背景にある数量,図形の関係や構造を意識させて既習事項を高める方法を提案した。「連立方程式の解き方」を題材として,共通な関係の表象のための方略を導入し,「複数の表現の提示」,「複数の表現の比較」,「共通性の把握」という3つのステップで,既習の知識を新しい問題解決に活用を生徒に意識させた。実践の結果,生徒は関係を表象し,なぜそのような解き方をするのかについての理解を深めることで,既習の知識の活用について実感することができたことが分かった。