- 著者
-
真鍋 久
- 出版者
- 日本食生活学会
- 雑誌
- 日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, no.3, pp.200-206, 2003-12-25 (Released:2011-01-31)
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
-
4
納豆粘質物の主要成分であるPGAには多量のD-グルタミン酸が含まれている. なお, 納豆をD-アミノ酸含有食品として捉える場合には, PGAを含めた納豆全体に, 如何なるD-アミノ酸がどの程度存在するのかを把握しておく必要がある. しかしながら, そのような報告はなされていない. そこで著者は関連の調査をおこなうことにし, 今回は, 納豆の「粘質部位」を分析して以下の結果を得た.(1) 納豆の粘質部位から, D-グルタミン酸のみならず, D-アスパラギン酸やD-アラニンが検出された.(2) それらのD-アミノ酸は, D-グルタミン酸が結合型ならびに遊離型, D-アスパラギン酸のほとんどが結合型, D-アラニンの大部分が遊離型で見出された.(3) D-アミノ酸の含量については, 結合型D-グルタミン酸が納豆100gあたり3mmo1以上という大変高い状態にあったほかは, いずれの遊離型ならびに結合型D-アミノ酸も納豆100gあたり0.5mmo1以下であった.