著者
本間 祐子 角野 猛 真鍋 久
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.106-113, 2011-09-30 (Released:2011-10-27)
参考文献数
14
被引用文献数
1

“Malt mizuame (millet jelly)” is a traditional food that has long been produced in the Minamiaizu region of Fukushima Prefecture. In the present study, we investigated the characteristics of the method used in this region for making malt mizuame and the sweet components. Following are our findings:  In the Minamiaizu region, the unique customs of ameyobi or ameyobare are associated with malt mizuame;these customs were thought to have developed due to the mild sweetness and functionality of mizuame.  During the saccharification process in the making of malt mizuame,steps are taken to maximize the saccharifiability of malt to starch.We identify these processes as an important way to reduce the amount of time required for saccharification.
著者
角野 猛 会田 久仁子 金子 憲太郎 金田 尚志
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.253-256, 1995-11-20

キムチの生菌数を好気培養および嫌気培養法による測定, 分離菌の形態観察および腸内細菌科の菌属, 菌種の同定を行い, 次の知見を得た。1. 好気培養および嫌気培養法による生菌数は, それぞれ, 10^2〜10^8および10^3〜10^8/gであり, 培養法による生菌数には大きな相違は認められなかった。2. 好気および嫌気培養共にグラム陽性の無芽胞桿菌が最も多く分離された。3. 分離された腸内細菌科の53株の菌属はEnterobacterが最も多く, 67.9%を占めていた。次いで, Serratia属, Erwinia属, Klebsiella属, Hafnia属の細菌であった。
著者
角野 猛 佐久間 久仁子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.118-124, 1983-02-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
10

保存料 (安息香酸ナトリウム, ソルビン酸カリウム, デヒドロ酢酸ナトリウムおよびプロピオン酸ナトリウム) およびグリシンの, 腸内細菌 (S. enteritidis, E. coli, C. freundii, K. aerogenes, P. vulgaris, E. cloacaeおよびS. liquefaciens) の発育抑調作用に対する供試培地の pHおよび薬剤濃度の影響を調べて, 次の知見を得た.1) 保存料の誘導期および発育菌量に及ぼす影響は, pH5>6>7の順に強かった.2) P.vulgarisは安息香酸ナトリウムおよびデヒドロ酢酸ナトリウムに対して, S. liquefaciensはソルビン酸カリウムに対して強い抵抗性を示した.K. aerogenes, はいずれの保存料に対しても抵抗性が弱かった.3) グリシンの誘導期および発育菌量に及ぼす影響はpH8>7>6の順に強かった.4) グリシンに対して (S. enteritidis, E. coli K. aerogenesおよびE.clacaeは抵抗性が弱かった.

2 0 0 0 OA アジアの魚醤

著者
角野 猛
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.2-8, 2001-06-30 (Released:2011-01-31)
参考文献数
16
著者
会田 久仁子 角野 幸子 小林 智子 角野 猛
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.74-77, 1989-03-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13

In order to clarify the bacterial contamination and sugar contents of wet Japanese-style confectioneries on the market, we examined 84 samples by inspecting total bacterial counts, coliform group, sucrose, glucose and fructose contents.The results obtained were as follows:1. The total bacterial counts were in the range of below 3.0×102/g to 9.1×106/g.2. Detection percentage of coliform group in Mushimono, Mochimono, Yakimono and Nerimono were 5.4%,40.9%,5.9% and 0%, respectively.3. Mean contents of sucrose of Mushimono, Mochimono, Yakimono and Nerimono were 299.8mg/g,289.1mg/g,311.2mg/g and 399.4mg/g, respectively.4. Mean contents of glucose and fructose of wet Japanese-style confectioneries were 7.3mg/g and 4.5 mg/g, respectively.
著者
角野 猛 会田 久仁子 角野 幸子 金子 憲太郎
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.412-418, 1990-11-20

魚の塩蔵食品の女子学生に対する嗜好および喫食実態調査と市販品の微生物汚染について調査し、次の結果を得た。1.嗜好実態:嗜好の程度の高いタラコ、塩ザケ、嗜好の程度の低い塩マス、スジコ、塩ホッケ、塩タラ、イカの塩辛および嫌いの傾向の強い塩サバ、塩ニシン、カツオの塩辛、ウニの塩辛のそれぞれ3つのグループに分けられた。なお、塩ザケおよびタラコと他の塩蔵食品の間では、嗜好度に有意な差が認められた。2.喫食回数:塩ザケは「1週間に1回」、または「2〜3週間に1回」、タラコは「2〜3週間に1回」の喫食が多かった。一方、カツオの塩辛およびウニの塩辛は「この1年間ほとんど食べていない」が最も多かった。3.購入時の注意点:「製造年月日」、「賞味期間」が多かった。4.塩分濃度、水分活性および一般生菌数:それぞれの平均は6.98%、0.856および4.38(対数平均)であった。また、大腸菌群の検出率は35.1%であった。水分活性と塩分濃度の相関係数は-0.5854(P<0.01)で、その傾向式はy=-0.0131x+0.9482(x:塩分濃度、y:水分活性)であった。
著者
佐藤 典子 原 笙子 角野 猛
出版者
東都大学
雑誌
東都医療大学紀要 = Tohto University bulletin (ISSN:21861919)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.33-40, 2019-03

「埼玉青ナス」は、巾着型で果皮は鮮やかな緑色をした深谷市の伝統野菜である。明治時代に奈良漬の材料として導入された品種で、「中山道ナス」とも言われ、市内では、うどんや煮ぼうとうの具、あぶらみその味噌炒めとして食されてきた。近年は、生産農家の減少に伴い、直売所等に少量出荷される程度である。そこで、「埼玉青ナス」のPRに取り組む第一歩として、栽培過程の観察、食べ頃の「埼玉青ナス」の一般成分及び遊離アミノ酸の分析を行い、次の2点についての結果を得た。1.エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム、食塩相当量、水分及び灰分量の平均値は、それぞれ、25.3kcal/100g、1.0g/100g、0.1g/100g、5.1g/100g、1.0mg/100g、0.0g/100g、93.4g/100g及び0.5g/100gであった。2.遊離アミノ酸総量は平均244mg/100gであった。いずれの検体ともグルタミンが平均68.7mg/100gで最も多く、次いで機能性成分であるγ-アミノ酪酸(GABA)は、平均42.3mg/100gであった。近年、GABAは、代謝系や神経系、更にはストレス軽減への効果が報告されており、今後は調理や保存時の含有量の変動等を明らかにしたい。(著者抄録)
著者
会田 久仁子 阿部 純子 角野 幸子 山塙 圭子 遠藤 英子 角野 猛 山田 幸二
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.70-74, 1999
被引用文献数
1

We analyzed the various component and bacteria of Home-made Izushi in Hokkaido Area.<BR>The results were as follows:<BR>1. The averages of contents of salt and potassium, and water activity of Home-made Izushi were 2.3%, 121mg/100g and 0.941, respectively.<BR>2. The total amounts of free amino acids of Izushi were 540mg/100g-2522mg/100g.<BR>The major free amino acids of Izushi were glutamic acid, alanine, leucine, anseline and lysine.<BR>3. Major fatty acids composition of Izushi were C18:1, C16:0 and C18:3.<BR>4. Mean bacterial counts and lactic acid bacteria of Izushi were 6.168/log/g and 6. 598/log/g, respectively.Coliform organisms, E.coli, Staphylococcus aureus and Salmonella were not detected from Izushi.
著者
阿部 優子 石川 雅子 会田 久仁子 小林 睦子 菊池 節子 半澤 明子 角野 猛 石村 由美子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.153, 2005

<BR>目的 福島県は地理的環境などから山間部の会津地方、平野部の中通り地方、海岸部の浜通り地方の3地域に区分される。これらの地域は気候風土が異なり、それぞれの食生活にも強い地域性が存在することが知られている。しかし、近年の高速交通網の発達、人的交流などによって、その地域性も解消しつつあることも考えられる。本調査は、近年の福島県内の食生活、食文化の地域性を魚介類の種類とその調理方法において、調査・考察することを目的として実施し、先に会津地方の魚介類調査結果について報告した。今回、いわき市での食生活の特徴、魚介類の調理・加工の特徴、更に、本地方独特の魚介類の料理・加工方法などの調査結果を報告する。<BR>方法 平成15年2_から_3月にアンケート調査及び聞き取り調査を併行して行なった。調査は福島県いわき市内に10年以上居住している18世帯で、調査対象者は各世帯の主たる調理担当者に対して行った。<BR>結果 いわき市は太平洋に面した地域で、小名浜漁港をはじめとして、多くの漁港が存在し、日々多種類の魚が水揚げされている。従って、日常食としては、多種の魚介類が刺身、煮魚、焼き魚などで食されていた。また、大量に水揚げされた魚介類は塩漬け、干物、みりん干しなどに加工して販売されており、各家庭において保存食として日常的に用いられていた。行事食としては正月・祭事時に「鮟鱇鍋」、「鯛の塩焼き」「喜知次の煮付け」などが食されていた。また、土用の丑の日に「鰻の蒲焼き」が食されていた。本地方独特の料理・加工法として、「秋刀魚のぽうぽう焼き」、「秋刀魚鍋」、「秋刀魚のみりん干し」、「秋刀魚のなめろう」、「鮟鱇鍋(鮟鱇のどぶ汁)」、「鮟鱇の供酢」、「どんこ汁」、「メヒカリの天ぷら」などが食されていることがわかった。なお、本地域では一世帯あたり年間平均42種類の魚介類を食し、平均78種類の魚介類調理法が存在した。
著者
丸山 典彦 伊藤 宏 内山 秀和 戸根 慶子 角野 猛 松井 清治
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.57, no.8, pp.656-661, 1983-08-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
18

風疹抗体陰性の大学生50名を対象にワクチンを接種した後, 経時的に採血して抗体価ならびに免疫グロブリンの測定と同時に副反応についても検討し, 次の成績を得た.1. 大学生168名中, 風疹HI抗体の陽性率は女子で59.0%, 男子で76.3%, 全体では64.3%であった.2. ワクチン接種後, 3週から抗体産生が認められ, 5週において全例 (100%) の陽転が認められた.3. 5週における平均抗体価はHI価で68.6倍, NT価で42.4倍であり, 両抗体価の間には高い相関 (r=0.95) が認められた.4. 遠心分画法による2・ME感受性試験で接種後3週から6週目の血清の一部にIgMが検出された.5. 接種後, 副反応を呈したものは50名中6名 (12%) に認められ, そのうちわけは関節痛が2名, 発疹が1名, 発熱が1名であった.
著者
角野 猛 会田 久仁子 角野 幸子 山田 幸二
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.212-217, 1996-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
24
被引用文献数
5

From the viewpoint of food hygiene, public nutrition and food chemistry, were studied the bacterial contamination, the amounts of sodium, potassium and salt, and the free amino acids composition of “kapit” in Thailand.The results were as follows:1. Bacterial counts isolated from “kapit” were 106-107/g. The detected ratio of Coliform organisms, E coli and Staphylococcus were 40.0%,40.0% and 0%, respectively.2. The genus of Family Enterobacteriaceae (14 strains) isolated from “kapit” consisted of Enteraerogenes (4 strains), Proteus mirabilis (5 strains) and Escherichia coli (1 strain) and others.3. The averages of contents of sodium, potassium and salt and water activity of “kapit” were 4318.4mg/100g,179.8mg/100g,11.0% and 0.872, respectively.4. The total amounts of free amino acids of “kapit” were 721.3mg/100g-4565.1mg/100g. The major free amino acids of “kapit” were glutamic acid, leucine, alanine and lysine. The content of glutamic acid was 26.4-77.4% of total free amino acids.
著者
角野 猛 会田 久仁子 金子 憲太郎 柳 大河 黄 鎬観
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.233-237, 1991-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13
被引用文献数
3

Thirty samples of salted guts produced in Japan and forty six samples of salted guts in Korea were used in this experiment. The results obtained were as follows.1. The mean values of water activity, sodium chloride concentration and viable cell counts of three kinds of salted guts produced in Japan ranged 0.578-0.767,6.46-18.70% and2.985-4.884(log. /g), respectively, while six kinds of samples in Korea ranged 0.528-0.718,8.13-20.87% and 3.311-7.121(log. /g), respectively.2. The detection rate of coliform organisms in salted guts produced in Japan and Korea were 32.4% and 4.3%, respectively.3.Tolerance salt concentration of Bacillus subtilis and Coliform organisms isolated from Korea salted guts was 12-14% and 6-8%, respectively, at the concentration of sodium chloride.
著者
会田 久仁子 角野 猛
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.145-152, 2007 (Released:2007-11-07)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

市販及び自家製のかぶらずしと大根ずしの諸成分と微生物について検討した。得られた結果は以下のとおりである。  1) 市販かぶらずしのナトリウム量, カリウム量, 食塩濃度および水分活性は, それぞれ平均734mg/100g, 197mg/100g, 1.9%, 0.958, 同様に大根ずしは675mg/100g, 144mg/100g, 1.7%および0.956であった。一般生菌数はかぶらずしで平均6.1×105/g, 大根ずしで4.8×106/g, 乳酸菌数はかぶらずしで4.8×105/g, 大根ずしで1.7×107/gであった。  2) 自家製かぶらずしおよび大根ずしの遊離アミノ酸総量は, いずれも同様の傾向をとり, 漬け込み直後は299.5~419.3mg/100g, 30日後には595.5~717.4mg/100gとなった。特に, 保存15日以後急激に増加が認められた。  3) 自家製かぶらずしおよび大根ずし共に, 保存にともなってGABA, アルギニン, アラニン, グルタミン酸の増加が顕著となり, 30日後にはGABA量は47.7~60.5mg/100gとなった。
著者
千原 理沙 角野 猛 山田 幸二
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.62-68, 2002-06-30 (Released:2011-01-31)
参考文献数
16
被引用文献数
2 2

ブドゥは, Stolenpkorus種の小鰯を砕いたものを塩漬けし, それにタマリンドを加え, 数ケ月間, 環境温度によって発酵させたマレーシアの魚醤油である.その諸成分と微生物について検討し, 次の知見を得た.1) Na量, K量, 食塩濃度及びNa/K比はそれぞれ, 平均13, 200mg/100g, 275mg/100g, 33.6%及び48.4で, 東南アジア各国で製造された魚の塩蔵発酵食品中最も高い食塩濃度を示す調味料であった.2) 遊離アミノ酸総量は平均5, 642mg/100であった.主な遊離アミノ酸は, グルタミン酸, ロイシン, リジン, アラニン及びアスパラギン酸であり, 遊離アミノ酸量の最も多い範疇に入る魚醤油であった.また, グルタミン酸量の割合は17.5%であった.3) 脂肪量は平均0.69%であった.主な脂肪酸は, C16:0, C18:0, C22: 6であり, 他の種類の魚醤油と類似していた.4) 一般生菌数は平均4.38 (log/g) であった.また, 腸内細菌科の細菌, 大腸菌群及び黄色ブドウ球菌は検出されず, 衛生細菌学的には不良な結果を得るものではなかった.5) 分離されたBacillus属細菌はB. lickeniformis, B. megaterium, B.pumilus, B.subtilisおよびB.cereusであった.これらの至適発育温度は30℃ -42℃, 塩化ナトリウム濃度15%以上で発育が阻止された.6) 分離された、Staphylococcus属細菌はS.xylosus及びS.cokniiでいずれも非病原性の細菌であった.