著者
白井 瑞子 内藤 直子 益岡 享代 真鍋 由紀子 山本 文子
出版者
日本母性衛生学会
雑誌
母性衛生 (ISSN:03881512)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.87-97, 2004-04
被引用文献数
3

本研究では,高校生(男女)が月経をどのようにイメージしているかを,初めての月経教育時に抱いた月経観,印象に残っているトピック,および女子の月経痛との関連から調査した。提示した月経イメージ10項について因子分析を行い,困難因子(つらい,いやなもの,腹立たしい),成熟因子(女性の特質,大切・必要なもの),嫌悪因子(暗い,病気のような,汚らわしい,怖い)が抽出された。3因子の平均は,困難因子3.52±0.99,成熟因子4.01±0.94,嫌悪因子2.19±0.84であり,困難因子点は,女子の中では月経痛レベル4以上で高かった。初めての月経教育で,男子は月経を肯定的・中立的に,女子は否定的・両価的にとらえる者が多かった。また,初めての月経教育が印象深いと,月経を肯定的に受け止め,成熟因子点が高く,困難因子点,嫌悪因子点が低かった。この結果をふまえて,高校生に対して月経を健康のバロメーターとして,および性行動か活発化している現状に役立つ教育を行う必要があることを提言した。