著者
矢浦 一磨 渡辺 源也 中村 貴彬 突田 健一 鈴木 博義 鈴木 靖士
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001373, (Released:2020-02-26)
参考文献数
15
被引用文献数
1

症例は53歳女性,左上肢の間代性痙攣を認め入院した.頭部MRIで大脳に複数のFLAIR高信号,磁化率強調画像(susceptibility-weighted imaging; SWI)で多発する微小な低信号病変が見られ,抗痙攣薬の内服を開始した.しかし痙攣発作が再発し,頭部MRIで大脳にさらにSWI低信号の病変が新規に出現したため,脳生検し,出血を伴った血管内大細胞型B細胞リンパ腫(intravascular large B-cell lymphoma; IVLBCL)と診断した.IVLBCLは典型的な多発梗塞性病変だけでなく出血性病変でもIVLBCLを鑑別疾患の一つとして列挙する必要がある.