著者
岩本 敏彦 中村 文彦 岡村 敏之 矢部 努
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.41.2, pp.39-48, 2006-10-25 (Released:2017-05-01)
参考文献数
19

本研究は首都圏の都市鉄道において、駅の拠点性向上や駅周辺地区の活性化、にぎわいの向上という社会ニーズに対応するため、従来のように駅、駅前広場、駅の周辺地区という個別要素について議論するのではなく、それらを包括した総合空間を「駅まち空間」と定義し、その空間を研究対象として取り上げ、これまで明確化されていない個別施設の連携効果について着目した。はじめに、調査対象駅において駅、駅前広場、駅の周辺地区から空間構成に影響を与える要素を選定し、クラスター分析により駅まち空間の類型化を行った。次に、分類結果に基づき、利用者評価の分析を行う駅を選定し、利用者への意識調査を実施した。続いて、駅まち空間に対する利用者の評価構造を解明するため、重回帰分析を行うとともに、駅、駅前広場と一体的に整備するのが望ましいと利用者が考える範囲について整理し、空間の施設構成との関連性について考察した。