著者
山川 肇 矢野 潤也
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.212-224, 2008 (Released:2009-03-10)
参考文献数
24

本研究では,ごみ処理事業の費用負担のあり方に関する研究の基礎として,戦後の有料化の変遷を明らかにした。戦後から現在までに実施されたごみ収集手数料に関する調査・資料をサーベイした結果,1) 家庭ごみ有料化都市は,戦後10年間でほぼ皆無の状態から約50%まで大きく増加し,その後1960年代後半から10年間で約10%まで大きく減少した。さらに1990年以降約15年間で再び約40%まで増加した。2) 事業系ごみを含むごみ処理事業の日本全体の手数料負担率は,無料化の進展にともない10%強から5%弱に減少した。3) 無料化進展以前の1957年における定額制の手数料水準は173円/月・世帯であった (物価調整済み)。これは2000年の従量制有料化都市における家計負担試算額の2分の1程度となった。