著者
山川 肇 佐藤 真行 杉浦 淳吉 福岡 雅子
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.2-2, 2010

本稿では、販売包装に関する小売事業者の2Rの取り組みとして肉の袋入り販売を取り上げ、その先進事例の実態と容器包装の発生抑制効果について考察した。その結果、1)袋売りの対象となる肉はさまざまであり、袋の種類も事業者により違いがある、2)手間の増加があるという店舗もあったが大きな問題となっておらず、一方、コスト減や顧客増のメリットも見られる、3)鶏・モモ肉の場合、袋入りの売上割合は15~30%であり、すでに一定程度、消費者に受容されている、4)買うことはあるが毎回は購入しない主な理由は、安売りのときだけ買う、まとめ買いのときのみ買う、売り切れが多い、などであることがわかった。また5)今回の測定サンプルでは、真空パックを除き、袋包装の包装資材重量は2g前後、トレイ包装では6g前後となり、さらにごみ処理される包装ごみの削減率を試算したところ、1パックあたり6~52%となった。
著者
山川 肇 矢野 潤也
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.212-224, 2008 (Released:2009-03-10)
参考文献数
24

本研究では,ごみ処理事業の費用負担のあり方に関する研究の基礎として,戦後の有料化の変遷を明らかにした。戦後から現在までに実施されたごみ収集手数料に関する調査・資料をサーベイした結果,1) 家庭ごみ有料化都市は,戦後10年間でほぼ皆無の状態から約50%まで大きく増加し,その後1960年代後半から10年間で約10%まで大きく減少した。さらに1990年以降約15年間で再び約40%まで増加した。2) 事業系ごみを含むごみ処理事業の日本全体の手数料負担率は,無料化の進展にともない10%強から5%弱に減少した。3) 無料化進展以前の1957年における定額制の手数料水準は173円/月・世帯であった (物価調整済み)。これは2000年の従量制有料化都市における家計負担試算額の2分の1程度となった。
著者
野波 寛 杉浦 淳吉 大沼 進 山川 肇 広瀬 幸雄
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.264-271, 1997-10-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
14
被引用文献数
44 19

This study researched the effects of cognitive variables on recycling behavior, as well as effects of various media of influence on the cognition and behavior. According to Hirose (1994), the decision making process for recycling consists of two steps. The first leads to goal intention of an ecological lifestyle. The second is related to behavior intention of recycling in line with the goal intention. Mass media, such as newspaper and TV, are thought to influence beliefs about environmental problems, including three determinants of goal intention: perception of seriousness, responsibility, and effectiveness. Personal media, such as personal contacts with pro-environmental activists, are thought to influence evaluation of behavior, including three determinants of behavior intention: evaluation of feasibility, cost and benefits, and social norms. Local media, such as municipal announcement and circular, are hypothesized to have a mixed effect of the two. Path analysis indicated that goal intention affected recycling behavior through behavior intention. Effects of the three media of influence on the cognitive variables were also consistent with the hypothesis.
著者
瀬口 亮子 山川 肇
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.24, 2013

韓国の「資源の節約とリサイクルの促進に関する法律」は、一回用品(いわゆる使い捨て品)の使用を抑制する制度を規定している。本制度により、韓国では、飲食店やホテル等において、他国に見られない発生抑制の取り組みが実施されている。我が国においては、大手スーパーのレジ袋削減等は、自主的取り組みにより一定程度進展はあるものの、拘束力を持った発生抑制の施策は未整備である。本稿は、韓国の一回用品使用規制の制度と実施状況から、我が国における発生抑制のしくみづくりの可能性を提案する。
著者
山川 肇 植田 和広
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.245-258, 2001-07-31
被引用文献数
6 3

本稿では, ごみ有料化に関する論点を整理し, 各論点についての議論の進展と到達点, および, 今後の課題について述べた。まず家庭系ごみ有料化によるごみ流れの変化として, ごみ減量とその持続性について評価し, 減量の内容について紹介するとともに, ごみ減量の影響要因に関する研究を整理した。さらに不法投棄と自家焼却に関する調査結果を紹介した。次にごみ処理の費用負担に関連して, ごみ処理サービスの特性と費用負担の公平性の議論を整理するとともに, 提案されている費用負担のあり方について紹介した。さらに逆進性, 税の二重取りに関する議論を整理した。その後, 財政への影響として手数料収入と処理経費に関する研究を紹介し, 住民意識と住民合意についても, 合意の条件等について整理した。最後に, 粗大ごみ有料化, および, 事業系ごみの全面有料化と料金適正化について若干の研究, 報告の紹介を行った。
著者
山川 肇 船越 進吾
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.38-38, 2007

本研究では、資源ごみとしてその他プラスチック製容器包装(以下、プラごみと略す)を取り上げて、その分別・有料化がごみ排出量に及ぼす影響を分析した。地域特性を考慮して、プラごみの分別・有料化、および、可燃・不燃ごみ有料化の存在する組み合わせの影響を重回帰分析により分析したところ、いずれも導入しない自治体と比較すると、いずれかの組み合わせを導入している自治体では資源ごみの量も含めた生活系ごみ排出量の平均値は有意に少ないことが示された。しかし、Bonferroni の方法による多重比較を行ったところ、プラごみ有料化の単独の効果は有意とはならなかった。またプラごみ分別の効果は、有料化していない自治体では有意となったが、有料化している自治体では有意とはならなかった。ただし実施自治体数が増えた段階でさらに検討が必要である。