著者
知野 愛
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.69, 2017

目的 福島県では東日本大震災後の原発事故の影響があり、人口減や世帯の分離が進み家族の形に変化が見られる。そこで、未婚の学生達の結婚・出産・子育てに関する考え方を調査し、今後の子育て支援を考えるための一助とすることを目的とする。&nbsp;<br>方法 調査票(内閣府平成26年度調査を基に作成)によるアンケート調査を実施。調査対象は郡山女子大短大幼児教育学科2年生、回答数101名(有効回答率99.0%)。調査内容は、結婚観、出産、育児に関する意識調査、震災後の家族の変化について。調査結果を集計分析し、同内閣府調査結果の全国20代未婚女性の数値(全国)と比較した。 <br>結果 &nbsp;1,結婚生活で不安に思うことは、「配偶者の親族との付き合い」(75.2%)、「配偶者の家事分担」(32.7%)、2,結婚と仕事との調和のために必要なことは、「夫が家事・育児に協力する」(92.1%)、3,ライフコースは、「結婚あるいは出産の機会に一旦退職し子育て後に再び仕事に復帰」(71.3%)が最も多く、4,結婚生活での夫婦間の家計は、「どちらも同じ位」(34.7%)が比較的多い。5,子育てで不安に思うことは、「仕事をしながら子育てすることが難しそう」(86.3%)、「経済的にやっていけるか」(73.5%)であった。配偶者に自分の仕事を理解してほしいと望む割合が高いが「出産後は一旦仕事を中断する」という割合が高く、背景には子育てと仕事の両立が難しいという思いがある。今後は、未婚者も対象に入れた「結婚出産子育てと仕事の両立」に関する講座等で、多様な選択肢の可能性を示すことが重要なのではないかと思われる。