著者
安木 真世 小村 泰浩 石上 陽平
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.241-246, 2020 (Released:2020-12-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1

2019年に発生した新型コロナウイルス感染症は世界的大流行を引き起こした。本ウイルスに対するワクチンの実用化が待たれる中, 感染予防対策として環境中のウイルスの不活化技術や除去技術に注目が集まっている。静電霧化装置から発生するナノサイズの帯電微粒子水は様々な細菌を不活化することが報告されている。本研究では新型コロナウイルスに対する帯電微粒子水の効果を評価した。帯電微粒子水に曝露された新型コロナウイルスは時間経過とともに有意に不活化され, 3時間後の生残ウイルスは対照群と比較して1000分の1であった。以上の結果から, 帯電微粒子水は新型コロナウイルスの不活化に有効であることが明らかとなった。