著者
國武 広一郎 村上 拡 佃 一訓 小崎 俊司 安木 真世
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.93-97, 2021-06-30 (Released:2021-07-08)
参考文献数
17

We found the effect of ethanol, even at low concentrations, on inactivation of SARS-CoV-2 in combination with surfactants. Less than 20% ethanol did not inactivate SARS-CoV-2, whereas high virucidal effects were observed by using 10% ethanol mixed with several surfactants. The present results indicate that the combination of low concentration ethanol and multiple surfactants shows a high virucidal effect as well as a bactericidal effect. The results also provide useful information to prevent the spread of SARS-CoV-2 contamination in the food industry, especially in the food service industry.
著者
安木 真世 小村 泰浩 石上 陽平
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.241-246, 2020 (Released:2020-12-01)
参考文献数
31
被引用文献数
1

2019年に発生した新型コロナウイルス感染症は世界的大流行を引き起こした。本ウイルスに対するワクチンの実用化が待たれる中, 感染予防対策として環境中のウイルスの不活化技術や除去技術に注目が集まっている。静電霧化装置から発生するナノサイズの帯電微粒子水は様々な細菌を不活化することが報告されている。本研究では新型コロナウイルスに対する帯電微粒子水の効果を評価した。帯電微粒子水に曝露された新型コロナウイルスは時間経過とともに有意に不活化され, 3時間後の生残ウイルスは対照群と比較して1000分の1であった。以上の結果から, 帯電微粒子水は新型コロナウイルスの不活化に有効であることが明らかとなった。
著者
安木 真世 黒田 真未 井 千尋
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.13-18, 2021 (Released:2021-04-01)
参考文献数
28
被引用文献数
2

世界的流行が続く新型コロナウイルス感染症の原因ウイルスSARS-CoV-2の不活化技術として, アルコールや界面活性剤に加え, オゾン水の有効性が報告された。有機物の存在はオゾンの分解を速めて有効オゾン濃度の減衰を招くことが知られており, ウイルスが存在し得る様々な環境を想定してオゾン水の有効性を評価すること, 更には様々な環境に応じてオゾン水の使用条件を設定することが重要な課題である。本研究ではこれら課題のための基盤実験として, 有機物の影響を抑えた(ウイルス培養液の溶媒をリン酸緩衝液に置換した)条件におけるSARS-CoV-2に対するオゾン水の不活化効果を評価した。その結果, (1)タンパク質濃度3.3 μg/mlのウイルス溶液では, 0.1 mg/l濃度のオゾン水の30秒間曝露で生残ウイルス量が1000分の1に, (2)タンパク質濃度33 μg/mlのウイルス溶液では, 0.5 mg/l濃度のオゾン水の3分間曝露で生残ウイルス量が10分の1に減少し, 低濃度のオゾン水がSARS-CoV-2を有意に不活化することが明らかとなった。