著者
石原 米彦
出版者
一般社団法人 日本エネルギー学会
雑誌
燃料協会誌 (ISSN:03693775)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.12-19, 1960-01-20 (Released:2010-06-28)

鉄道の動力, が蒸気機関から電力, ディーゼル機関へとうつりつつあるのは世界的傾向であるが, わが国においても国鉄動力近代化委員会により, 15年間に主要幹線の完全電化と他の線のディーゼル化を行なう計画がなされた。この計画によると所要燃料を著しく節減できるようになる。しかし石炭価格が引下げられれば支線ではディーゼルと蒸気機関車の併用も考えられる。また電気機関車と電車の比較では高速化が容易でかつ, 種々便利であるため電車が多く用いられるようになるであろう。一方自動車と比較して将来鉄道の不振を予想する向きもあるが, わが国のように人工密度の高い所では場所をとらずに大きな輸送力を有し動力消費の少い鉄道が将来とも重要であると考えられる。