- 著者
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石塚 光
白松 俊
小野 恵子
- 出版者
- 一般社団法人 人工知能学会
- 雑誌
- 人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
- 巻号頁・発行日
- pp.1P1GS1003, 2022 (Released:2022-07-11)
2つの対立する主張があった際に,そのどちらの主張も否定せずに発展した答えを導くことを「アウフヘーベン」という.アウフヘーベンは日本語で「止揚」と訳される.この止揚の考え方は,話し合いや議論の場などで,皆の納得できる高度な結論を導くうえで重要だと考えられる. 本研究では,議論において対立意見の止揚が起こるのに必要な要素を明らかにするため,まずは止揚の度合を定量化した上で,議論実験とその分析を行った.その結果,議論中に自分の意見の根拠となる情報として投稿されたURLの数と,議論での止揚の度合いの間に弱い正の相関関係が確認された. また議論で止揚が起こるには前提として,対立する主張が存在する必要がある.しかし実際の話し合いや議論では,皆が似たような主張で対立する主張を述べる人が少ない,または存在しないことがある.このような状態は,議論の中で意見の偏りが生じていて,止揚が起こりにくい状態だといえる.そこで本研究では,議論においてbotが少数派の意見を補強する情報を投稿する,意見の偏り解消手法を提案する.