著者
川村 隆浩 江上 周作 田村 光太郎 外園 康智 鵜飼 孝典 小柳 佑介 西野 文人 岡嶋 成司 村上 勝彦 高松 邦彦 杉浦 あおい 白松 俊 張 翔宇 古崎 晃司
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

本発表では,2018年よりスタートしたナレッジグラフ推論チャレンジについて報告する.近年,機械学習技術の進展によりさまざまな社会システムにAI技術が組み込まれつつある.今後,そうしたシステムを安心・安全に使っていくためにはAIによる判断・動作を適切に説明する技術が重要になってくるだろう.そこで,本会セマンティックWebとオントロジー研究会では,データセットとしてシャーロック・ホームズの小説を題材としたナレッジグラフを構築,公開し,説明付きで犯人を当てる(推論または推定する)技術を募集するチャレンジを企画・開催した.発表では,第1回となった2018年のチャレンジの概要と共に,ナレッジグラフの構築手法,SATや推論,文書ベクトルなどを用いた4つのアプローチ,およびそれらの評価方法・結果等について述べる.また最後に,2019年に予定している次回チャレンジの計画について紹介してまとめとする.
著者
白松 俊 トッサヴァイネン テーム 大囿 忠親 新谷 虎松
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.LOD-C_1-11, 2016-01-06 (Released:2016-01-08)
参考文献数
25

To address social issues about the sustainability of local societies, inter-organizational collaboration in public sphere is important. Although conventional social networking services (SNSs) have recently been used for public collaboration, the SNSs are not suitable to look for potential collaborators because the conventional SNSs emphasize recency of information and lack a function for sharing information about ``who are trying to address what kind of social issues''. We designed a data model for structuring public issues and goals and built a linked open dataset (LOD) based on the above data model. Moreover, we developed a method for calculating similarities of public goals and implemented a Web service for matching public goals for finding potential collaborators. Our method for similarity calculation incorporates surficial features, semantic features, and contextual features. We conducted an experiment to investigate an optimal balance of parameters of the contextual features, which is suitable for facilitating public collaboration. Furthermore, we held a participatory event for trial use by citizens and observed positive feedbacks from the participants.
著者
佐野 博之 白松 俊 大囿 忠親 新谷 虎松
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

本稿では確率モデルを用いてWebブロックの役割推定手法について述べる.Webページ中に存在する閲覧者にとって意味的にまとまりのある単位を,本研究ではWebブロックと呼ぶ.Webブロックには様々な役割が存在する.Webページから主要部分を抽出するためには,そのWebページ中に存在するWebブロックの役割を推定する必要がある.ベイズ分類器を作成し,Webブロックが持つ役割の推定を試みる.
著者
廣瀬 伸行 白松 俊 奥原 俊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1N4GS1002, 2023 (Released:2023-07-10)

本研究はGPT-3を用いたアドバイスの自動生成によって、学生の学習計画と振り返り内容に対する支援を行う。自動生成されたアドバイスの内容について性能評価を行う。 事前に定めたルーブリックによって学生の記述の問題点を判定することで、(1)学生個別の内容に応じたアドバイスの生成ができるか、(2)品質の揃ったアドバイスを生成できるかなどを検証した。 自動生成されたアドバイスは,学習者の記述内容とROUGE-1 0.405, コサイン類似度0.906.ルーブリック評価に沿った定型文とコサイン類似度0.872という結果が得られた.これらの結果は手動作文と学習者の記述内容間の結果と近似したため,教員作文に近いバランスのアドバイスが生成できたことが示唆された.なお,コサイン類似度は,GPT-3のEmbeddingを用いた.今後の課題は,失敗例の改善検討と定性評価による検証である.
著者
河村 郁江 白松 俊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.1K2J401, 2019 (Released:2019-06-01)

郷土食に関して地域で伝えられている話は,地域の食の特性を理解する上で非常に重要である.本研究では,地域ごとの郷土食の違い等を含む詳細なストーリーを構造化・オープンデータ化し,分析や可視化などの応用に繋げることを目指す.そのために,郷土食に関する領域オントロジーと,郷土食のストーリーに関する領域オントロジーを設計した.その結果,特に郷土食のストーリーに関する領域オントロジーには,素材関連や食べ方等の独自プロパティが必要であるという知見を得た.今後は,各地で収集した様々な事例を用いて本稿のオントロジーを拡張しつつ,これまで開発してきた「もちマップ」に適用する予定である.
著者
白松 俊 末永 彩羽 吉村 友希 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 言語・音声理解と対話処理研究会 97回 (2023/2) (ISSN:09185682)
巻号頁・発行日
pp.30-37, 2023-02-27 (Released:2023-02-27)

2022年にOpenAIが公開したChatGPTやGPT-3.5は、プログラミングに無縁な人々にも広く浸透し、「AIの民主化」とも呼ばれる社会現象になっている。これら大規模言語モデルが生成する返答には嘘やフェイク情報が高確率で含まれるという問題はあるにせよ、非常に幅広いドメインに関して論理的な応答生成が可能である。フェイクが含まれる可能性があることを踏まえて活用すれば、議論の発散フェーズにおける発想支援や、社会課題解決に関するアイデアワークショップ(アイデアソン)などで活用できる可能性がある。また、ファシリテーターが行うような問いかけを生成したり、議論を構造化するためにも、大規模言語モデルが活用できる可能性がある。本稿では、GPT-3を活用したプロトタイプの評価実験や、ChatGPT上での社会課題解決に関する対話例を紹介し、その活用可能性を検討する。
著者
石塚 光 白松 俊 小野 恵子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1P1GS1003, 2022 (Released:2022-07-11)

2つの対立する主張があった際に,そのどちらの主張も否定せずに発展した答えを導くことを「アウフヘーベン」という.アウフヘーベンは日本語で「止揚」と訳される.この止揚の考え方は,話し合いや議論の場などで,皆の納得できる高度な結論を導くうえで重要だと考えられる. 本研究では,議論において対立意見の止揚が起こるのに必要な要素を明らかにするため,まずは止揚の度合を定量化した上で,議論実験とその分析を行った.その結果,議論中に自分の意見の根拠となる情報として投稿されたURLの数と,議論での止揚の度合いの間に弱い正の相関関係が確認された. また議論で止揚が起こるには前提として,対立する主張が存在する必要がある.しかし実際の話し合いや議論では,皆が似たような主張で対立する主張を述べる人が少ない,または存在しないことがある.このような状態は,議論の中で意見の偏りが生じていて,止揚が起こりにくい状態だといえる.そこで本研究では,議論においてbotが少数派の意見を補強する情報を投稿する,意見の偏り解消手法を提案する.
著者
橋本 慧海 白松 俊 五十嵐 康伸 松本 宇宙 青島 英和
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.SWO-057, pp.02, 2022-08-05 (Released:2022-08-10)

近年,従来のトップダウンな組織運営から,メンバーがより自律的に仕事をこなすフラットな組織運営を目指す動きが増えている.しかし,階層的な組織に比べ,個人の自律性を尊重すると全体としてのマネジメントは難しくなる.そこで本研究では,個人の自律性を尊重しつつ,適材適所な組織運営ができるマッチング機構の開発を目指す.具体的には個人の自律性を尊重した適材適所配置支援システムを開発するために,本稿ではタスクやユーザのためのタグ付けを行うためのオントロジーを設計した.さらにタグを用いたタスクとユーザのマッチング手法を検討し,その応用可能性を考察した.
著者
河村 郁江 白松 俊 大森 友子
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.CCI-009, pp.02, 2022-07-09 (Released:2022-07-09)

In this paper, we have designed a system that shows how social studies and science are linked to local food, with the aim of creating a system that stimulates interest in social studies and science using local food as a starting point. Specifically, a class diagram of the relationship ontology between life sciences and local food was developed and a prototype user interface design was created.
著者
櫻井 陽太 髙瀬 遥矢 白松 俊
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.335-336, 2020-02-20

我々は,音楽未経験者でも身体動作入力を用いて即興合奏を楽しめるシステムを実装している.先行研究では,背景楽曲に対して不協和にならないメロディを演奏することで,背景楽曲を伴奏とした合奏を行う「メロディ演奏システム」と,背景楽曲の伴奏音の高さと伴奏パターンを操作する「伴奏演奏シスム」が実装された.この「伴奏演奏システム」において,既存のシステムでは,事前に指定したコード進行(カノン進行)でしか伴奏を展開できないという問題点がある.本稿では,感性語の指定による「伴奏演奏システム」の改良を提案する.
著者
蔡 超 白松 俊
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1J305, 2018

<p>近年、ウェブ議論システムやウェブアンケートの利用が頻繁になっている。そのため、特定の話題に興味を持つ議論参加者やアンケート被験者を、SNS上で発見したいというニーズが増加している。本研究では、ユーザ数の多いTwitterを対象として、特定の話題に興味を持つユーザを発見する手法を試作する。具体的には、あるキーワード群でTwitter検索をするとbotアカウントやスパムアカウントが多く出力されてしまう問題を解決するため、非個人ユーザフィルタリング手法を提案する。訓練データの作成時には、キーワードでの検索とハッシュタグでの検索という2回の検索結果を用い、個人ユーザと非個人ユーザのバランスを調整した。これを用いてSVMによる個人・非個人の分類モデルを学習し、F値0.93を達成した。</p>
著者
白松 俊 池田 雄人 北川 晃 幸浦 弘昂 伊藤 孝行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.1D2OS28a03, 2018

<p>本稿では,議論ファシリテータエージェントの実装のために必要な議論文脈理解モデルとして,議論内容の理解モデルと,議論プロセスの理解モデルを検討する. まず共通する要素として,「議論の場」に関するパラメータを定式化する.ファシリテーションにおいては構造の時間変化が重要なため,時刻tを重視した定式化を提案する. 議論内容の理解においては,gIBISやDeliberatorium等で伝統的に用いられているような,論点(課題)と案から成る構造が必要と考え,定式化を検討する. また,議論プロセスの理解においては,参加者の関係性変化や「場の空気」に関するパラメータの定式化について述べる. 更に,これらのパラメータの推定結果を用いたファシリテータエージェントの行動決定や質問生成手法を検討する.</p>
著者
水野 創太 白松 俊 北原 鉄朗 一ノ瀬 修吾
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2017-MUS-117, no.4, pp.1-4, 2017-11-18

演奏者の身体動作は,その動きの視覚的効果によって音楽理解を促進する.特に,旋律の上下動 (旋律概形) は直感的な身体動作と親和性が高い.我々はこれまで,モーションセンサーカメラ,スマートフォンセンサーによってユーザの身体動作を認識する手法を提案し,身体動作による演奏行為を支援するシステムの開発を行ってきた.本稿では,これまで開発してきたスマートフォンを用いた身体動作認識手法と,北原らによる旋律概形からメロディ生成するシステム JamSketch を統合することで,即興演奏支援システム JamGesture を開発した.JamGesture は,スマートフォンを用いて認識したユーザの手の上下動から描画した旋律概形を基に,JamSketch の機構によってメロディを生成することで,ユーザの直感的な身体動作を入力とした即興演奏を可能とする.