- 著者
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山内 一史
望月 悦子
田中 裕二
丸山 良子
石川 稔生
- 出版者
- 千葉大学
- 雑誌
- 千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, pp.7-12, 1983-03
3種のインスタントコーヒー(NESCAFE GOLD BLEND DECAFFEINATED, NESCAFE GOLD BLEND及びMAXIM)を用いて,二重盲検法により,暗算の作業量を指標としてカフェインの効果を調べた。結果は次の通りである。(1) NESCAFE GOLD BLEND DECAFFEINATED飲用群を対照群として,NESCAFE GOLD BLEND飲用群,MAXIM飲用群との間で暗算作業量の2群比較を行うと,いずれもカフェインを充分含有していると考えられる後者の飲用群に,作業量の増加がみられた。(2)被験者は,インスタントコーヒー飲用直後にカフェイン含有の有無を推定することは出来なかったが,カフェイン含有インスタントコーヒー飲用群では,暗算作業の能率の向上を主観的に感じている者の多いことが示された。(3)インスタントコーヒーカップ一杯に通常含まれる量の2倍程度のカフェイン飲用では,脈拍数の変化はみられなかった。以上の実験結果から,NESCAFE GOLD BLEND DECAFFEINATED飲用群を対照とした暗算作業実験の作業量の増加は,カフェインの中枢神経興奮作用によるものと考えられ,この実験がカフェインの作用を客観的定量的に調べる手軽な方法として,今後の研究に役立つものと考えられる。