著者
石川 翔大 田中 皓介 寺部 慎太郎 柳沼 秀樹 海野 遥香
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.22-00038, 2023 (Released:2023-02-20)
参考文献数
15

COVID-19が世界各地で感染拡大し,2020年度にはそれまでの東京圏の転入超過傾向から一転し,月次データで見れば転出超過となる月が連続して見られた.これは,COVID-19の感染拡大が東京一極集中に対する人々の意識に対して少なからず影響を及ぼしていることが想定される.そこで本研究では,COVID-19の感染拡大前後での,国民の東京一極集中に対する賛否意識の変化を把握することを目的とし,全国の国民を対象に,COVID-19感染拡大前後(1回目:2020年1月23~24日,2回目:2021年5月21~26日)でパネル調査(N=515)をWebアンケートにより実施した.その結果,東京一極集中に対して有意な意識変化はみられず,一極集中に対して態度が肯定的に転じた人および肯定的な態度を継続した人々は,医療福祉施設不足のデメリットの認知強度に上昇がみられないことなどが明らかとなった.