著者
林 哲也 石川 雅一 高野 哲司 安藤 公
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.101, no.4, pp.373-379, 2003-12-17

告知書改訂の主目的の1つ,「体況による危険選択上必要と考えられる告知を漏れなく行っていただくと同時に,不必要と考えられる告知をしなくてもすむようにする」について検証を行った。平成12年6月から平成13年3月の申込み契約(改訂前),平成13年6月から平成14年3月の申込み契約(改訂後)のうち,報状扱のものを選び,「告知出現件数」,「有欠陥件数」および「告知欠陥出現件数」を求め,それより「告知出現率」,「有欠陥率」,「告知寄与率(告知出現中)」および「告知寄与率(有欠陥中)」を計算し,告知書改訂による告知寄与率の変化を解析した。その結果,告知出現率が減少もしくは不変であるにもかかわらず,「告知寄与率(告知出現中)」および「告知寄与率(有欠陥中)」は有意に増加していた。よって,改訂後の告知書には,体況による危険選択上不必要な告知を減らす効果だけでなく,体況上の欠陥を的確に告知させる効果もあることが示唆された。
著者
林 哲也 高野 哲司 石川 雅一 安藤 公
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.100, no.2, pp.205-218, 2002-12-17
被引用文献数
3

平成13年4月に告知書改訂を行い,その効果を検討するために改訂前後の告知項目別出現率について検討した。対象は改訂前報状として平成12年6月から11月まで,改訂後報状として平成13年6月から11月までの報状扱申込契約で,項目別に○の『有』,『無』,『記入もれ』についてそれぞれの出現率を求め解析した。解析集団の特徴として,健証・健診扱の申込数が他社に比べて多く,性年齢別分布では健証・健診扱の女性で全年齢層にわたり改訂後報状で増加していた。告知項目別出現率を選択方法別に比較した結果,項目によって選択方法別の出現傾向が違っていた。また項目によっては改訂後報上での告知出現率の減少を認めた。以上より今回の報状改訂の目的の一部は,項目によっては既に達成されたと考えられる。しかし,さらに詳しい解析を行い,その結果によっては再改訂を行う必要のある項目があることも示唆された。