著者
米山 京子 石榑 清司 池田 順子 永田 久紀
出版者
日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.587-594, 1984
被引用文献数
1

尿中Hydroxyproline(H.P)およびクレアチニン排泄量の日々の変動ならびに,蛋白質摂取量との関係を健康な大人5人(女2人と男3人)を対象として,連続する17∼42日間について,昼間と夜間の排泄量を分けて検討した。次の結果が得られた。<br>1.尿中H.PおよびH.P/クレアチニンの日間変動は5人ともかなり大きかった(変異係数はH.P:12.6∼19.8%,H.P/クレアチニン:13.2∼19.5%)。クレアチニンの日間変動はH.Pよりはるかに小さかった(変異係数3.6∼8.5%)。これらの物質の時系列データの自己相関分析では,一定の変動パターンは見られなかった。<br>2.5人中4人で,昼間と(又は)夜間の尿中H.Pは当日又は1∼2日前の蛋白質摂取量と有意の正の相関が見られた。この結果は,尿中H.P排泄量は食事中の蛋白質摂取量によって影響されうることを示唆している。<br>3.尿中H.Pの昼間と夜間の排泄量の相違は5人ともわずかであった。