著者
石橋 義幸
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
家畜の管理 (ISSN:03888207)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.125-131, 1985-03-15

子豚は, 風を忌避する性質があることから子豚の損耗要因の60〜80%を占める圧死事故の防止を目的に, 送風による圧死防止装置の開発を行なった。その結果場内実証試験では.試験区52腹, 520頭の子豚のうち, 圧死は14頭(2.7%)に対し, 対照区では, 92腹792頭の子豚中、圧死事故は49頭(6.17%)発生していた。一方場外における実証試験で, 試験区において45腹, 521頭の子豚に圧死の発生はなく.対照区では, 51腹, 543頭に対し53頭(9.76%)の圧死事故が発生していた。またこの両区の育成率は, 試験区の94.8%に対し, 対照区85.1%と本装置を使用した効果は顕著であった。このことから, 送風による子豚の圧死防止装置は, 規模拡大傾向にある養豚の一貫経営に大きく貢献し得るものと考えられる。