著者
石田 万実
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究
巻号頁・発行日
no.21, pp.32-44, 2014-08-02

本稿は、日本のお笑い番組において登場人物がどのように表現されてきたのかを分析し、笑いの中にどのようなメッセージがあるのか、また、男性が女性を演じる「女装」がどのような役割を持つのかを明らかにすることを目的としている。このため、日本のコミックバンド「ザ・ドリフターズ」が出演したコント番組、『8時だョ!全員集合』と『ドリフ大爆笑』のDVDを研究対象とし、内容分析を行った。分析の結果、ザ・ドリフターズのコント番組では、ジェンダーに関する当時の価値観や秩序が笑いとともに再生産され、メッセージとして視聴者に伝えられていた傾向があることがわかった。その中で女装は主に、男性が「女らしさ」「母親らしさ」を演じ、笑いをおこすために利用されていた。しかし一方で、女性が女性を演じる場合は表現されない「女性に期待される役割の風刺」は、男性が女装をすることによって可能となっていた。
著者
石田 万実
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.32-44, 2014-08-02 (Released:2017-07-21)

本稿は、日本のお笑い番組において登場人物がどのように表現されてきたのかを分析し、笑いの中にどのようなメッセージがあるのか、また、男性が女性を演じる「女装」がどのような役割を持つのかを明らかにすることを目的としている。このため、日本のコミックバンド「ザ・ドリフターズ」が出演したコント番組、『8時だョ!全員集合』と『ドリフ大爆笑』のDVDを研究対象とし、内容分析を行った。分析の結果、ザ・ドリフターズのコント番組では、ジェンダーに関する当時の価値観や秩序が笑いとともに再生産され、メッセージとして視聴者に伝えられていた傾向があることがわかった。その中で女装は主に、男性が「女らしさ」「母親らしさ」を演じ、笑いをおこすために利用されていた。しかし一方で、女性が女性を演じる場合は表現されない「女性に期待される役割の風刺」は、男性が女装をすることによって可能となっていた。
著者
石田 万実
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.45-57, 2021 (Released:2022-03-31)

男性が中心となってきた日本の笑いにおいて、女性の感覚が取り入れられ、女性の「本音」が語られたとき、どのようなことが表現されているのか、「女のホンネ」をテーマにしたNHK総合の番組『祝女』を事例に、放送当時の意識調査を参照しながら分析、考察を行った。 分析の結果、様々な状況や立場にある女性の恋愛や結婚に対する「本音」が笑いとともに表現されていることがわかった。家事役割や尽くすことなど従来の「女らしさ」への抵抗が見られる一方で、男性には従来の「男らしさ」を求めるといった女性の矛盾した「本音」が表れていた。しかし恋愛や結婚にテーマが集中しており、当時の調査で「男性の方が優遇されている」と感じている人が多かった職場をはじめとする社会の様々な場における女性の境遇に対する「本音」はほとんど語られていなかった。
著者
石田 万実
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.46-58, 2016 (Released:2016-12-20)

本研究は、日本のお笑い番組において働く女性がどのように表現されてきたのか、コント番組で演じられる職業や描写の特徴とその変遷を明らかにすることを目的とする。このため、『8時だョ!全員集合』、『オレたちひょうきん族』、『ダウンタウンのごっつええ感じ』の内容分析を行った。 分析の結果、視聴者にとってわかりやすい、当たり前のものとして「女らしい」職業が演じられていることがわかった。女装で演じられる人物が起こす笑いは、はじめは「女らしさ」を利用したもののみであったが、仕事内容を笑いにしたものが登場するようになった。「女らしくない」職業は、女装で演じられるものは登場割合、仕事の描写ともに増加し、女性が演じる場合は登場する条件が減ってきていた。コント番組における女性の仕事に関する描写や笑いの起こし方は、時代が進むにつれて幅広くなってきているといえる。
著者
石田 万実
出版者
日本笑い学会
雑誌
笑い学研究 (ISSN:21894132)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.46-58, 2016

本研究は、日本のお笑い番組において働く女性がどのように表現されてきたのか、コント番組で演じられる職業や描写の特徴とその変遷を明らかにすることを目的とする。このため、『8時だョ!全員集合』、『オレたちひょうきん族』、『ダウンタウンのごっつええ感じ』の内容分析を行った。 分析の結果、視聴者にとってわかりやすい、当たり前のものとして「女らしい」職業が演じられていることがわかった。女装で演じられる人物が起こす笑いは、はじめは「女らしさ」を利用したもののみであったが、仕事内容を笑いにしたものが登場するようになった。「女らしくない」職業は、女装で演じられるものは登場割合、仕事の描写ともに増加し、女性が演じる場合は登場する条件が減ってきていた。コント番組における女性の仕事に関する描写や笑いの起こし方は、時代が進むにつれて幅広くなってきているといえる。