著者
河口 真一郎 石田 正己
出版者
公益社団法人 日本航海学会
雑誌
日本航海学会論文集 (ISSN:03887405)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.33-46, 1977

2測定点の偶然誤差の相関度を調べるに際し,一方の偶然誤差の時系列を入力とし,他の偶然誤差を出力とする応答系としてとらえ,応答特性により周波数領域での相関度を検討した結果,函館,釧路,稚内における各レーンの夜間の偶然誤差の変動は,パワーの大部分を占める低周波領域では,確率過程として独立な現象である事が判明した。更に,定常正規確率過程の極大値の分布とその特性を,デッカ位置線のスリップ・レーンとの関係において検討した結果,スリップ・レーンを防止する為には,偶然誤差の標準偏差が0.45lane以下でなければならない事が明らかとなった。最後に,主従局からの電界強度を入力とし,デコメータの読み取り値を出力とする2入力1出力応答系としてとらえ,その応答特性を解析した結果,電界強度,デコメータの読み取り値共に大部分のパワーを有している低周波領域では,両者の相関は一般に低い事が判明した。