- 著者
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石田 秀人
- 出版者
- 公益財団法人 日本醸造協会
- 雑誌
- 日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
- 巻号頁・発行日
- vol.98, no.1, pp.23-30, 2003-01-15 (Released:2011-09-20)
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
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本稿は, 古代エジプトの壁画に表されたビール造りを再現実験によって意味付けを行う実験考古学的アブローチを用いて, 古代ビールを復元した貴重な研究である。復元された古代ビールは, アルコール分約10%, 高い乳酸濃度のためボディーがあり, 白ワインに似た味のものであった。筆者は, この研究によって, パンを粥にしたものからビールが出来たとする従来の自然発酵説を否定し, 乳酸を含むサワーブレッドを用いることによる静菌作用が, 酢酸発酵を防止しビール製造に必要であったとしている。この乳酸による静菌技術は, 日本酒の生翫造りだけではなく, 開放発酵系の酒造りに必要な共通技術であるとする等, 非常に興味深い内容である。