- 著者
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石鍋 浩
- 出版者
- 国際医療福祉大学学会
- 雑誌
- 国際医療福祉大学学会誌 (ISSN:21863652)
- 巻号頁・発行日
- vol.19, no.1, pp.24-32, 2014
背景:医療系領域を専攻する留学生は専門語彙の学習面で問題を抱えている.本研究では看護師国家試験(看護国試)と理学療法士国家試験(PT国試)の漢字の出現傾向を親密度から分析し,医療専門漢字語彙学習用教材を作成し,留学生の学習効率化の一助とすることを目的とした. 方法:看護国試とPT国試の漢字の出現傾向の検討および親密度を指標としたレベルの検討を行った.分析結果を基に医療専門漢字語彙の教材を試作した. 結果:看護国試,PT国試とも出現頻度上位500字前後で全体の約90%を占めた.また,両者の親密度の間に有意差はなく類似した出現傾向が認められた.分析結果に基づき国家試験問題を素材とした医療専門語彙学習用教材を作成した.教材には出現頻度や国家試験の問題番号など学習を補助する情報を記載した. 結論:客観的指標に基づく学習目標の提示や教材提供などを通し,医療専門留学生の学習効率化の一助となると考えられる.また,このような指標を通し医療専門ではない日本語教員でも専門語彙教材の作成が可能になることが期待される.