著者
石関 匠 松浦 昭洋
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2010論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.12, pp.101-107, 2010-11-12

「量子三目並べ」は2002年に物理学者AllanGoffらによって提案された,量子力学の概念を利用した二人完全情報零和ゲームである1).本稿では,直線状の三目を先に完成させれば勝ちとする古典的な三目並べの勝利基準(完勝と呼ぶ)と,両者同時に三目完成させたとき,完成した三目の着手番号の最大値が小さい方を勝ちとする勝利基準(辛勝と呼ぶ)の下で量子三目並べの必勝法の解析を行い,本ゲームが完勝の基準の下では引き分けであり,辛勝の基準の下では先手必勝で勝利に必要な手数が9手であることを示す.さらに,探索の高速化とある自然な改訂ルールの下での必勝法についても述べる.