著者
宮城 俊彦 石黒 雅彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.531-538, 2010 (Released:2017-11-29)
参考文献数
13

本研究では個々のエージェントを自律的なエージェントとして定義し,それぞれがその直面する環境下で利得最大化行動を学習していく繰り返しゲームとして交通ネットワークフローを求めるモデルを提案する. 個々のエージェントは個別のODペアを持ち,利用可能な情報に応じて経路選択肢の集合を決定し,その選択肢の中から経路を選択する. 交通環境はそれぞれのエージェントの非協力的な選択によって変化するので,個々のエージェントは交通環境を正確には知りえないが,経験した所要時間を通して交通環境を学習し適応的に経路選択を行なう. 本研究はエージェントの経路選択をノードでのリンク選択問題のシークエンスとして定式化し,リグレットマッチングによって環境学習をさせることによってNash均衡が実現できることを示したものである.