著者
石﨑 友規
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.31, no.6, pp.23-28, 2016 (Released:2018-04-07)
参考文献数
12

本稿では,文献調査により,シュワブ,ブルーナー両者のナラティヴに関する議論を検討した。その結果,両者とも,探究の過程で生じる困難な状況を取り上げる重要性を主張していることが明らかになった。また,特にブルーナーは,探究を物語的に語る際,語り手は語ろうとする内容を解釈する必要があり,しかも,物語解釈では解釈学的循環が行われている点に留意することを主張していた。これらの主張は,探究過程の理解を指向した「探究のナラティヴ」を基盤とする教授方略を開発する視点の一つになり得る。