著者
砂原 悟 金 勇 飯田 勝吉
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.122, no.306, pp.99-100, 2022-12-05

DNS の通信においてプライバシー情報の保護の重要性が高まっている.現在標準化されている DNS over TLS (DoT) や DNS over HTTPS (DoH) の規格では,DNS の通信を暗号化することによって改ざんや直接漏洩を防ぐことは可能であるが,DNS の通信を暗号化したとしても通信ヘッダの送信元 IP アドレスと送信先 IP アドレスまで隠蔽することはできない.そのため,たとえ DNS の通信が暗号化されていたとしても,送信元のクライアントがどのようなサイトに興味を持っているのかを推測できる可能性がある.本研究では,クライアントから権威 DNS サーバ間の DNS 通信の匿名性を維持し,照会されたドメイン名の推測リスクを軽減させるための手法の提案と手法の検証結果について紹介する.