著者
木島 竜吾 渡邊 純哉 近藤 大祐
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.77, pp.7-12, 2008-06-02
被引用文献数
2

A novel notion "retro-transmissive" material as an optical element for head mounted display is introduced and discussed. Using this, so called "false image projector" is proposed. This projector does not need any screen such as the retro-reflective screen that was generally used for head mounted projection system. The fundamental operating principle of the optics is discussed both in macro-view and micro-view. The simple early prototype is developped and the result of experiments indicated the optical system works as proposed operating principle.
著者
青木 直史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.256, pp.95-97, 2005-09-01
被引用文献数
4

バーチャルリアリティは現実世界の物理法則を模擬することで, 仮想世界に現実世界と同じ物理的なリアリティを再現することを目標としている.これとは異なるアプローチとして, 本研究ではリアルバーチャリティという別の視点から, 仮想世界における心理的なリアリティおよびその応用について考察を試みている.
著者
杉山 将 Muller Klaus-Robert
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.760, pp.129-134, 2005-03-30

教師付き学習では, 訓練入力とテスト入力が同じ確率分布に従うと仮定することが多い.しかし, 内挿, 外挿, 能動学習などでは, この仮定が満たされない.このような状況下では, 交差確認法などの標準的な汎化誤差推定法はバイアスを持ってしまい, 適切にモデル選択を行うことができない.そこで本論文では, 訓練入力とテスト入力の分布が異なる場合にうまく対応できる汎化誤差推定法を提案する.提案する汎化誤差推定量は, 学習したい真の関数がモデルに含まれる場合には不偏性を持ち, 一般には漸近的不偏性を持つ.外挿問題の計算機実験により, 提案する汎化誤差推定量を用いたモデル選択は, 交差確認法によるモデル選択よりも優れていることを示す.
著者
吉田 真紀 光成 滋生 藤原 融
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.527, pp.1-5, 2004-12-17
被引用文献数
1

タイムカプセル暗号とは,復号時刻が指定された暗号文を受け取った人(復号者)が,時報局が放送する署名付き時報を復号時刻に受け取ることで,その暗号文を復号できる方式である.著者らはこれまでに,楕円曲線上のペアリングを用いた署名方式を基に,タイムカプセル暗号を構成し,実装を行った.この方式の特長は,署名付き時報の放送と暗号文の送付以外に,通信を必要としないことである.ただし,復号者は,復号時刻の署名付き時報を逃すと,それ以降の署名付き時報を用いても暗号文を復号することができない.これに対する自明な対策として,放送された署名付き時報を全て保管し公開する機関を用意することが考えられるが,効率が悪い.本稿では,保管する署名付き時報の量を減らすことを目的とし,解除信号を導入する.解除信号は一定期間ごとに公開され,その直前の期間を復号時刻とする暗号文を全て復号可能とする.
著者
山下 清貴 和久屋 寛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.101, pp.85-90, 2008-06-26
被引用文献数
3 3

ホップフィールドネットワークは,組み合わせ最適化問題の解探索法としての有効性が知られているが,必ずしも最適解が求まるわけではない.近年,その対策法として仮想磁場漸弱法が提案されており,先行研究によれば,仮想的な磁場パラメータを導入し,その極性反転によって正答率が改善するという報告がある.そこで本研究では,ネットワークの振る舞いを状態遷移の可視化表現とエネルギー関数の形状に着目して観察することにより,その動作メカニズムについて検討した.その結果,仮想磁場パラメータにはニューロン出力の切り替わる臨界値が存在し,仮想磁場パラメータの極性反転による正答率の改善は,この臨界値を超えることでニューロン発火の容易さを制御したためであることを明らかにした.
著者
飯塚 重善 小川 克彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.306, pp.55-60, 2005-09-26
被引用文献数
1

インターネット利用者(Webサイト閲覧者)が, Webサイト利用時に重視する要因を抽出するため, 「The Stanford Web Credibility Survey」をベースにした, Webサイト利用時の重要項目抽出調査を行い, Webショッピング利用者, 非利用者それぞれについて, 重視する要因を抽出した.その結果, Webショッピングの利用経験に関係なく, 「使いやすさ」がWebサイト利用可否の判断に重要な要素であることが確認できた.また, Webショッピング利用者にとっては, サイトの「知名度」が重要な要因であったことが確認できた.本稿では, 今回の調査結果について示す.
著者
中山 彰 細田 真道 小林 稔
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.256, pp.83-88, 2005-09-01
被引用文献数
3

われわれは, 豊かで充実した生活の基盤として, 積極的にコミュニケーションを仲介し, ユーザが話しやすい環境を作るメディアを志向している.そのようなメディア設計のためには, 円滑で心地よいコミュニケーションを阻害するさまざま要因を探る必要があると考えている.そういった要因を探るための第一歩として, 話が盛り上がる場であると考えられる「飲み会」「パーティ」の収録実験を行い, またその被験者の「性格テスト」「日本語能力テスト」を実施した.本稿では, その収録実験の概要, および予備的実験結果として, 各種テスト結果と各参加者の発話量の関連について報告する.
著者
斉藤 俊介 寺岡 文男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.354, pp.19-24, 2003-10-08

本稿では,無線ネットワーク環境に適したトランスポートプロトコルTCP-JをNetBSD1.6.1-Releaseのカーネル内に実装し,dummynetにより無線区間をエミュレートすることで既存のTCPとの性能比較を行った.その結果,TCP-Jは無線リンクでのランダムなセグメント損失率が2×10^<-2>のとき,NewRenoと比べて約128%,SACKと比べて約100%のスループット向上んを得ることができた.また,TCP-Jはセグメント損失率が0の場合は従来TCPと公平にバンド幅を分け合い,セグメント損失率が増加して従来TCPのスループット低下によって無線リンクの上のバンド幅に空きができた場合には,他のTCP通信を圧迫せず,その帯域を有効利用してスループットを改善できることが分かった.
著者
砂原 悟 金 勇 飯田 勝吉
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.122, no.306, pp.99-100, 2022-12-05

DNS の通信においてプライバシー情報の保護の重要性が高まっている.現在標準化されている DNS over TLS (DoT) や DNS over HTTPS (DoH) の規格では,DNS の通信を暗号化することによって改ざんや直接漏洩を防ぐことは可能であるが,DNS の通信を暗号化したとしても通信ヘッダの送信元 IP アドレスと送信先 IP アドレスまで隠蔽することはできない.そのため,たとえ DNS の通信が暗号化されていたとしても,送信元のクライアントがどのようなサイトに興味を持っているのかを推測できる可能性がある.本研究では,クライアントから権威 DNS サーバ間の DNS 通信の匿名性を維持し,照会されたドメイン名の推測リスクを軽減させるための手法の提案と手法の検証結果について紹介する.
著者
飯田 勝吉
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.117, no.187, pp.25-30, 2017-08-21

現在、ETSI MEC, Open Edge Computing Initiative, Open Fog Consortiumなどでエッジコンピューティングに関する研究開発が盛んにおこなわれている。本稿ではその最新動向と、今後の研究開発課題を紹介する。
著者
梶川 祥世 井上 純子 佐藤 久美子 兼築 清恵 高岡 明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.291, pp.19-24, 2005-09-16

2曲の歌(「ゆりかごの歌」, 「ぞうさん」)について, 4-13ヶ月児の母親が乳児に対して歌いかけた場合と乳児不在で歌った場合とで, 音響的特徴の比較を行った.テンポについては, 対乳児のほうが乳児不在よりもテンポが遅くなる傾向が全般にみられた.母親による曲の印象評価においても, テンポは判断の主要な要素であり, 遅いテンポを乳児が好むと考える母親は、他の母親よりも遅いテンポで歌う傾向が「ぞうさん」にみられた。基本周波数平均値については, 対乳児と乳児不在での変化には個人差があり, 対乳児歌唱音声で一様に高くなるとする従来の見解は支持されなかった.乳児に対する歌唱音声では, テンポは個人、曲によらず一定の傾向がみられる要素であり, 周波数の高さは個人や曲によってばらつきがあると考えられる.
著者
飯渕 良平 莅戸 立夫 水野 皓司 水野 皓司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.370, pp.25-30, 2003-10-21

スリット型プローブを用いたミリ波帯走査型近接場顕微鏡において,検査対象の異方性を考慮した新たな画像再構成法を提案し,その妥当性の検証を行った。提案した画像再構成法により,表面内において異方性を有するワイヤーグリッド等の異方性の画像化に成功した。
著者
筧 一彦 曽我部 優子 河原 英紀
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.291, pp.31-38, 2005-09-16
被引用文献数
2

すでに表情の知覚に関する研究は非常にたくさんある。しかし、表情知覚が次元的であるかカテゴリカル的であるかについての決着はまだついていない。これに対して音声では感情レベルを連続的に変化させた発声が困難であるため、感情音声の知覚に関する研究はほとんどないと言ってよい。最近になってSTRAIGHT (VOCODERの一種で高品質の音声を合成可能とする)をベースとする音声の新しいモーフィング法が提案された。本報告ではこのモーフィング法を用いて音声感情の強さや一つの感情から他の異なる感情の間を連続的に変化させた高品質のモーフィング音声を実現し、感情音声の知覚的特性を検討した。最初に感情音声の知覚がカテゴリカルかどうかについて検討した。その結果を表情知覚のカテゴリカル性と比較し、検討を加えた。次に6個の基本感情とそれに平静を加えた7感情の間の関係を多次元心理空間上で検討した。最後に感情音声の知覚特性と表情のそれについて議論した。
著者
藤田 善弘 大中 慎一 高野 陽介 船田 純一 岩沢 透 西沢 俊広 佐藤 幹 長田 純一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.302, pp.23-28, 2005-09-22
被引用文献数
1

研究試作ロボットPaPeRoをベースとして、保育所や幼稚園で利用できることを目指して各種機能やコンテンツを拡張したチャイルドケアロボットPaPeRoを開発し、2005年3月25日から9月25日の6ヶ月間、愛知万博内のロボットステーションにて、技術実証運用を実施した。本稿では、その概要を紹介する。
著者
許 蛍雪 崔 珍赫 宮崎 隆行 川口 博 桜井 貴康
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.384, pp.65-70, 2003-10-24

高リーク世代において、Self-Timed Cut-Offに基づくブロックレベル活性化法は、待機時のみならず動作時においてもリーク電流を減らすことができ有効である。その基本動作は統計情報に基づいている。Self-Timed Cut-Offスイッチを使い、一定時間動いてないブロックをスリープモードに入れる。本提案の有効性を8ビットRISCマイクロプロセッサのVerilog HDLによるシミュレーションと々もに、0.25umのSOIプロセスで試作された64ビットのcarry look-head 加算器の測定を通して検証した。
著者
村上 謙 佐藤 浩司 横谷 哲也 安士 哲次郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.279, pp.73-77, 2005-09-15

IEEE802.1のLink Security Task Groupにて, レイヤ2レベルのセキュリティに関する標準化が進められている.具体的には, 802.1AEにてMAC(Media Access Control)サービスを適用するLAN/MAN(Local Area/Metropolitan Area Network)でのセキュア通信機能を, 802.1afにてMACセキュリティのためのコネクティビティアソシエーション確立方法を議論している。802.1AEはDraft3.5によるワーキンググループレベルの投票が7月に行われ、11月までに次のステップ(スポンサー投票)に進む予定である。また来年5月の標準制定を目標としている。一方, 802.1afはDraft0.2が7月に発行されたが, 課題も多く, 依然としてタスクグループ投票前の議論が続けられている。こちらは来年12月の標準制定を目標としている。本報告では, 各ワーキンググループでの審議状況をまとめるとともに, 特に802.1afにおける今後の課題を示す.