著者
磯本 宏紀
出版者
徳島県立博物館
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、近現代の移住漁民集団の移動と定住について、アワ船団、遠洋カツオ・マグロ船団,潜水器漁民集団、一本釣り漁民集団の4つの漁民集団に属する漁民に着目して、その実態を明らかにし、それぞれの漁民集団の比較研究を行うことを目的としている。平成29年度には、次のとおり現地調査及びアンケート調査を行い、調査データを得た。①4月から6月にかけて、以西底曳網漁業の船員経験者に対するアンケート調査を長崎市及び福岡市において実施した。28年度に計画していたものであるが、29年度に実施することができた。あわせて、データの集計、分析についても行った。②5月には福岡市において以西底曳網漁業(アワ船団)の経験者を対象に聞き取り調査を実施した。また、以西底曳網漁船の漁労長による漁撈日誌に関する調査も行った。③12月には以西底曳網漁業を行っていた福岡市の水産加工会社において、社史編さん事業等に使用された以西底曳網漁業に関する文献調査を行った。④12月には以西底曳網漁業の関係者が同郷者集団として実施している長崎市における阿波踊りに関する聞き取り調査を実施した。唐津市では一本釣り漁民等として鳴門市堂浦から移住した漁民を対象として聞き取り調査を実施した。なお、本研究の成果について、『生活文化研究』(大韓民国国立民俗学博物館)『徳島地域文化研究』(徳島地域文化研究会)誌上に論文等2本を執筆し、9月にソウル市で、10月に徳島市で、3月に佐倉市で口頭発表等3回行った。