著者
高橋 雅雄 磯貝 和秀 古山 隆 宮 彰男 蛯名 純一
出版者
特定非営利活動法人バードリサーチ
雑誌
Bird Research (ISSN:18801587)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.A65-A71, 2016 (Released:2016-12-31)
参考文献数
26

2014-2015年冬期と2015-2016年冬期に,関東地方の都市部と農村部の計32か所の湿性草原でオオセッカの生息調査を行ない,13か所で計94個体を確認した.そのうち4か所は都市部に位置し,住宅地等で囲まれて孤立した環境だった.また3か所では耕作放棄田で,別の3か所では自然生態観察公園で生息が確認され,これらの環境も越冬地として利用されることが確かめられた。さらに,オオセッカは多様なタイプのヨシ原環境で確認され,従来考えられていた以上に多様な植生環境を利用する可能性が示唆された.
著者
高橋 雅雄 蛯名 純一 宮 彰男 磯貝 和秀 古山 隆 高田 哲良 堀越 雅晴 大江 千尋 叶内 拓哉
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.109-116, 2018 (Released:2018-05-11)
参考文献数
29
被引用文献数
1

シマクイナCoturnicops exquisitusの越冬生態を明らかにするため,2014-2015年・2015-2016年・2016-2017年の3冬季に,関東地方の65か所の湿性草原で,夏季の音声を用いて生息確認を実施した.その結果,18か所で延べ98個体のシマクイナを確認した.生息確認地は7地域に大別され,耕作放棄地と河川敷が特に利用されていた.また,耕作放棄地で確認個体数が多い傾向があった.さらに,シマクイナは中層ヨシ環境で主に確認され,この植生環境が本種の生息に重要であることが示唆された.